「生きてね、ずっと・・生きて・・・」
ゆらゆらと震える指先が示すボードの文字。
せりあがる激流をとめようとしてもあとからあふれ、
滴り落ちる頬をぬぐうこともせず、ただうなずくばかり。
ノートの最後にはひとこと
・・・「ありがとう」の文字が。
20歳になりました。病状の進行には恨めしいばかりです。
サインペンを握り締め日記を書き綴っています。
殴りつけるように一文字ずつ、痛々しく胸が締め付けられてしまいます。
亜湖の絵が飾られている東高へ行きたい。
15歳の亜也へタイムスリップ。
確かにわたしはここで生きていた。
亜湖の絵の何てリアルなことでしょう。
15歳の亜也が息吹いていました。
ここで指揮した3月9日。遥斗の自転車に乗った日の思い出。
大事な出会いもすべてここから始まったのに。
しかし刻々と進む亜也の病状。ついに歩行困難となりました。
呆然として沈むばかりの亜也。
「お母さん、わたし、何のために生きているの。」
何も言えない。何も答えられないけれど、
生きてくれるだけで明日には奇跡が起こるかもしれないのよ。
とにかく生きてほしいの。
医学生達に話しかけられます。失礼な人たちです。人間として最低。
しかし医療現場では当たり前の光景なのです。
最高の勉強をしてきてもこうなのですから、さらに末端の現場では
人間の尊厳を守るということがいかに難しいか想像に難くありません。
遥斗が「もっと勉強してほしい」と訴えても流されてしまいました。
少しだけ溜飲を下げつつ、これから医療を学ぶあなたたちへ
どうかこのシーンを心に強く留めておいてほしいのです。
一足早いクリスマス。亜也は一晩だけの帰宅を許されます。
家族に包まれほっとくつろげるひと時。
亜也は妹たちにプレゼントを用意していました。
自分のために皆が我慢していることを知っていた亜也。
「お母さんを独り占めにしてごめんね」 一瞬、胸が詰まります。
そして記念撮影。
嬉しい。心臓が動いている。私は生きている。
なんでもない当たり前のことがこんなにも感動してしまうのは
亜也の生きようとする姿勢に励まされているからでしょうか。
瑞生は遥斗にそれまでの感謝を伝えていました。
そして自分の人生をきちんと生きてくれと。
遥斗の父は潮香に亜也との時間を大事にするように話しています。
自分の長男には別れを言う時間が無かったという父親。
父は遥斗にも、もう自分の思う通りにやれと伝えました。
その前に、水野医師は亜也から遺言のように献体の話を託されています。
亜也はすでに心積もりをしていたのですね。
決して亜也を見捨てないと言い切った水野医師ですが
進展のない研究に自棄ぎみになってしまいました。
目の前の患者を救えない。さぞ悔しかったでしょう。
ドラマは17年前の出来事です。それから何か光が見えてきたでしょうか・・。
残念ながらこの説明はひとつもありませんでした。水野医師が発表している
傍らで他の医師があまり友好的にも見えず悔しそうな顔もしています。
医学の進歩こそ私たちが求めるものなのです。ドラマを通じて
この病気を知った私たちが一番気になることを置き去りにしてはなりません。
遥斗は水野医師から頼まれたハガキをもって病室に向かいます。
もう会えないと手紙をもらった遥斗ですが瑞生や水野医師からの言葉に
再び病室を訪ねているようです。
カーテン越しに手紙を読む遥斗。
死んじゃいたいと思ってた・・・。と言う書き出し。
病気になってからうつむいて地面ばかり
見ていたことに気付いた少女が、亜也の文集を読んでから
辛くてもいっぱい泣いてもその分だけ
ちゃんと前に進みたいと亜也のおかげでそう思えたという手紙でした。
亜也、キミはこんなにも誰かの役に立ったんだよ。
遥斗は言います。
「人が死のうがどうでもいいと思ってた。
けれど今はお前には欲張ってでも無理にでも
ずっと生きててほしい・・」
遥斗の願いは私たちの願い。ぽろぽろと光るものが伝います。
遥斗と私たちは同じ涙を流し、その日がいつまでも来ないことを祈るだけ。
それからさらに病状は進み思うように話せない亜也がいました。
ボードを指差す亜也にゆっくりとつきあい自然な笑みの遥斗。
何気ない冗談に微笑が漂うクリスマスの日。
日記を読む遥斗。
「あせるな、よくばるな、あきらめるな・・・」
「自分だけが苦しいんじゃない・・」
亜也の心からのほとばしる声を綴った日記が読み続けられています。
涙でにじんだ声に心から亜也への愛しさを感じます。
亜也の苦しみを知る私たちには涙なしには聞けないシーンでした。
『お前、頑張ったな、がんばって生きてきたな』
しみじみと語りかける遥斗にじんわり癒されます。
「そうだよ」
「いばんなよ」
しかし静寂のなかでボードが示す文字に胸をつかれました。
『生きてね』
『ずっと・・生きて・・』
「わかった・・」
これは亜也の遺言だったのでしょうか。
遥斗の涙に洗われたように世界が潤んで透明に見えます。
亜也は夢のなかでバスケットのシュートを決めていました。
微笑みの亜也に布団をかけながら
どうか神様、お願い。夢ならいつまでも覚めないでほしい。
それから5年。
花に囲まれて亜也さんは天国へ旅立ちました。
1年後、墓前にたくさんの人たちがあつまってきます。
亜也さん、あなたはこんなにも多くの人たちに希望を与えてくれたのですね。
一生懸命生きてくれてありがとう。
短い生涯を必死に生き抜いてくれた亜也さんからたくさんの励ましと
生きる意味を教えてもらいました。日記に綴られた数々の言葉は
どれもこれも心に染み入り、そして勇気を与えてくれたと思います。
今、暗闇にいるあなた。
どんな時でもあなたの隣にいる温かい人は
いつでもあなたの手を握り、笑顔が戻るのを待っています。
時間がかかってもいいのです。
きっと今は苦しいと思うけれど、それでも生き続けて欲しい。
それだけが願い。
「あなたのいうことはいつも正しい」父に言ってはみても、
はらはらと大粒の涙に暮れた頬には夕闇の薄明かりだけ。
遥斗にとっての壁はあまりにも大きすぎ、無力に握りこぶしを作りながらも
いつか来るその日までただ時間だけが静かにと願う。
あっという間に卒業の日が来ました。先週から2年過ぎたことになります。
病状の酷さに息をのむばかりの私たちですね。
つかめない、歩けない、話しにくい。意識が清明とし、頭脳明晰の亜也には
ただ過酷としか言いようのない運命です。
誰かの役に立ちたいと夢を持っていた亜也にとって
就職も進学もできない現実はどれほど辛いことだったでしょうか。
水野医師からも在宅でのリハビリ療養を勧められます。
亜也が帰ってくることで喜び準備する家族達。
理香と弘樹はメンバーチェンジしてましたね。
子供の成長は早いのですよね。2年でこれだけ違います。
その間、亜也は寄宿生活だったのね。親ならずっと手元におきたいだろうに
よく耐えて亜也の生活環境に理解を示しました。立派な両親です。
家族が迎えてくれたその部屋は過ごしやすいようにベッドをしつらえ
カーテンやカレンダーやぬいぐるみや、家族のぬくもりでいっぱい。
一言ずつ確かめるように「ありがとう」と言う亜也。
けれど胸のうちは複雑だったのでしたね。
「過ごしやすい居場所が欲しいのではなく、どう生きるかを考えていたの」
同級生が集まり、お祝いをしています。
仲良しだったさきやまりも。遥斗は医学部に合格しました。
さすがね。本当に余裕ですね。先週は水族館デートだし。
同級生で医学部に行った人なんてもう凄まじい努力をしていました。
関係ない授業は全部堂々と内職、昼休みも片時もテキスト放さず、話を聞くとお風呂
では物理という風に生活全てが受験一色でしたね。まあ受験ってそういうものなので
すけど、遥斗の勉強シーンがなかったのでが全く余裕に見えてしまうのですね。
ともあれ、それぞれが進路を見つけ、和やかにしているそばで複雑な亜也です。
生きていくためには何が必要でしょうか、最低限満たされていたならば何をおいても
目標があれば人は生きていけるのではないでしょうか。
学生時代の教授の話ですが難病にかかり余命がいくらもない子供にもしっかり
勉強時間を確保し目標を与えるというのです。親が残されたわずかな時間を
一緒にすごしたいと望んでも、子供は勉強することで将来に希望が持てるのだと。
その希望がある限り頑張る力が湧いてくるというこの講義でしたが、最後の
最後まで希望を持ち続け旅立った子供の話には皆、涙したことを覚えています。
そして亜也も希望を持ち続けていたかったのでしょう。入院して歩くリハビリをする
と宣言しました。自分の体と折り合いをつけ、きっと誰かの役に立つと目標を見出す
亜也の精神力には頭が下がります。
さてこのショックな日は来てしまいました。遥斗が訪ねてくる日に失禁してしまうという
悲しさ。年頃の少女にとってこれほど残酷なシーンはありませんね。
亜也がショックから抜けられず泣く傍らで、始末をしながら忍び泣く潮香。
本当に切ない親として何もできないことでしたね。この日を境に亜也はある意味
悟りを開いたように感じます。少なくともリハビリをして歩けるようにという前向きな
希望が消えたのは確かですね。眠れない夜に家に電話をかけようとする亜也。
胸騒ぎで駆けつける潮香。死がそこまできているということを暗闇のなかで
切々と感じさせるシーンでした。しかし潮香は何もできない亜也ではない、書く事で
人に希望を与えられると諭しています。その唯一できる「書くこと」により遥斗に
そうあの悲しい決意の手紙を記していました。イルカのストラップが揺れる机で。
遥斗が医学部に合格した時に水野医師は何故かと問いかけていました。
「・・・あいつを見てると人の役に立ちたいなんて嘘くさいと、思えなくなる。」
水野医師も「僕も彼女を見ていると自然と背筋を正される・・」
亜也の姿にこうやって影響をうけ人生の目的を見出していく人たち。
そして、遥斗の父は潮香に二人がこのままでいることは好ましくないと告げています。
もしも遥斗が自分の無力に退いてしまったら傷つくのは亜也だと言います。
どうかこの二人の時間を大事にしてあげたい。けれど動けなくなる亜也に何も
できない遥斗はお互いに自らを悔やみ傷つくことに違いありません。その日は
遅いほどいいのにきっともうすぐなのでしょう。何も言えない潮香。一見、道理があり
そうな父の言葉に、皆様、ふつふつと疑問が湧いてきたのではありませんか。
まどか先生の結婚式。ブーケを受け取る亜也。遅れてやってきた遥斗にそっと渡す
「ラブレター」、微笑みながらも目は沈んでいます。亜也の未来には何もないという
現実を受け止め血を吐く思いで記した、別れのラブレターでした。
帰り道に読む遥斗。はらはらと大粒の涙が惜しげもなく伝い落ちるこの名シーンに
どれほどの涙が追いかけていったことでしょうか。
粉雪のBGMのなかで、自らの無念の涙、亜也の絶望を敏感にかぎとった涙、
そして恋心を抑えようとする涙なのでしょうか。
家に帰り、絞り出す思いで父に告げます。
「あなたはいつも正しいです・・・」
・・・・それでも遥斗よ、亜也を見守り続けてほしい。
突然苦しむ亜也。吸引する水野医師。
意識が戻り、別れを告げたことを潮香に話す亜也。
どうしてかと問いかける母を拒むように、「私は結婚できるの?」
「いつか、その日がきたらたくさんの花に囲まれて眠り続けたい」
これは亜也の遺言でしょうか。ふっと胸が痛くなる微笑でした。
いよいよ来週は最終回。拡大でしょうか?
背筋を伸ばして覚悟を決めてTVの前に集合です。
健康でいることの有り難さをどれほど訴えても実感できない人たちがいる一方で
縁あって亜也さんの生き様に触れた人は、その後の人生を神に導かれたように
大きく変えたようです。妹の亜湖さんも弟の弘樹さんも医療の仕事に就き
人の役に立つ人生を選択したということです。
光り輝く人生は誰が決めるのでもない、自分の中にあるのです。
「お前が話すならどんなにゆっくりでもちゃんと聞く。
お前が歩くならどんなにゆっくりでも一緒に歩く。」
遥斗の決意がはっきりと亜也に伝えられた瞬間、
二人の前にはただ二人だけの時間しかなく、
どうぞこのまま永遠にと誰もが願ったひと時。
花壇のピンクの花が亜也の心を染めていくようなある午後の日。
とうとう亜也は養護学校に入る日が来ました。
電動車椅子が目にとまどうような私達ですね。
広い廊下や室内が動きやすそうに、新しく快適そうな環境です。
同室の明日美さんは同じ病気でもあるという先輩。
いつか辿る同じ病状。彼女を見る亜也の目が微妙に複雑そうです。
それは視聴者の私達も同じでしょうか。
病気が進行するのに一人で寄宿生活って大丈夫なのだろうかと心配に
なってしまいますよね。母、潮香も涙しながら学校を後にしました。
明日美さんの症状は発語がゆっくりなのと手の具合が悪そうに見え、
そして食事の時にむせるのも辛そうでした。ただ、明日美さんは今週回
(約一年間)の中では初めと終わり頃ではあまり進行していないようでした。
しかし、亜也は一年間でかなり進行しています。これは早すぎと感じました。
瑞生が遥斗を車に連れ込んだあの理香のお祝いの日にもらった携帯電話。
亜也にとってはただ一つの慰めだったでしょうね。
この携帯電話もなんだか明日美さんには複雑に聞こえていたのではと
やや気がかりです。でもこのことにはちょっと目をつぶらせてもらいますね。
遥斗が楽しそうに亜也と話していると父親が複雑そうに入ってきます。そして・・
「どれだけの覚悟をしているのか。今が楽しければいいという
自分勝手な考えではすまされないんだ」と。
この言葉に大きく頷いたのは私だけではないですよね。
長い人生に裏打ちされた言葉には説得力がありました。
もちろん亜也のためにも遥斗がいずれ傷つくかもしれなくとも
二人の行く先はそっとしてあげたい。
けれど医師の目を持つ親としては、もっと深い視点があったに違いないのです。
だからといってどうにもならないのが若さであり、恋ですよね。
遥斗と亜也は水族館へとデートにでかけます。
車椅子でも快適に動けるみたいでドーム型の下はまるで青い海の底。
珍しい魚達に目を奪われてしまいます。ハリセンボンやらイルカの話やら
水族館デートってキレイでいいですね。携帯のストラップもイルカでしたね。
でも、ここで亜也が辛い経験をすることになるとはゆめゆめ思いませんでした。
道を尋ねたおばあさんと孫があからさまに顔をしかめるって有りでしょうか?
ショックな顔の亜也がどれほど傷ついたか、かわいそうでなりませんでした。
そして帰り道、今度はバスに乗り遅れタクシーも止まらず、追い討ちをかけるように
雨まで降り出しました。車椅子は深みにはまるし、亜也は濡れて具合が悪そうだし、
二人のデートって雨に祟られますね。(って以前の動物園はデートではなかった?)
そして池内家(潮香)の対応も、つい怒鳴ったり、ひどいものでした。
ひたすらうつむき謝る遥斗、かわいそう・・・。布団で聞いてる亜也も辛そうです。
この件のせいなのでしょうか。二人の間に距離ができたように見えますね。
亜也も電話で謝りますが雨でよく聞こえないと言われて、それがまた
先のおばあさんの顔を思い出してしまい、卑屈になりそうです。ついには、
「麻生君とは住む世界が違っちゃったのかも」と言ってしまいます。
(ここは雨でもはっきり聞こえたのね?)
そしていつのまにか数ヶ月が過ぎています。
その間に、水野医師のもとへ行き、発音に自信をもてないことを告げていました。
ここですごくいいセリフが飛び出しましたね。
「大切なのは伝えたいというこちら側の気持ちと受け取りたいという相手の気持ち。
聞く気持ちのある人になら必ず伝わるから」 ・・・怖がらないでと・・・。
藤木兄~~いい事言いますね。私、感動のあまり震えました。
そしてまた冬がやってきました。
図書館での亜湖と遥斗のやり取りも自然ですよね。
初めは「本当に亜也の妹か?」といわれた亜湖は、「ボーっとすごすのは嫌だ」と
深い思慮をたたえて「亜也姉の夢をひきつぐ」と宣言し
「さすがは、あいつの妹だ」と昇格していましたね。
帰り道、クラスメートが進学がどうのとふざけています。
ふと思いついたように走り出す遥斗!
今がその時なのね・・・! そして冒頭のセリフへと移ります。
永遠に時が止まればいいと思った皆様、
本当にありがとうと遥斗に言いたかったでしょう。
「今の気持ちに100%嘘がないと自信持って言える。
住む世界が違うとは思わない。
お前のこと、好き・・なのかも・・たぶん・・・」
そして映された進路用紙には、
遥斗の進路・・・常南大医学部
家族が大喜びで伝えにきた、
亜湖の進路・・・東高校
嬉しい弾むような春が訪れた、ほんのわずかな幸せを楽しみたい私達。
「人は過去に生きるものにあらず
今できることをやればいいのです。」
このメッセージが多くの方に届きますように。
もしも努力すればできるものがあるならば、ここでふんばって努力してみたい。
努力してもかなわないものを持つ人から見たら、人生を放棄している人々の
傲慢さがたまらなく悔しく見えてしまいます。どうぞ、あなたも。
次回は結婚式がありましたね。
亜也は管を通されそうなシーンが・・・
またまた辛い病状の様子です。
ちらちらと雪が舞い落ちてくる橋の上で車椅子の亜也は重い涙を振り切り
精一杯の笑顔に変えました。
「ありがとう。麻生君・・・バイバイ・・・」養護学校転校の決意をした瞬間でした。
瞬時に悟った遥斗。
そしてがっくりと崩れ落ち、ただただ泣くばかりの遥斗。
こんな遥斗を見るのは胸が痛くてたまりません。
粉雪のBGMがひたすら物悲しくやるせない世界に引きずり込んでいきました。
さて保護者会からの帰りの潮香を試合後の亜也達が目撃します。
物憂げで屈託を抱え込みながら気丈に笑顔を見せる母ですね。
先週の保護者達からのつるしあげで潮香は仕事をやめると決めたようです。
もしも何かあったとき誰も何もしてくれません。
必要なものはそのための人の手であり、人の手が借りられないなら
家族のまず身近なところから始めるだけです。
そんなことはおかしいと思いながらも現実はこんなものなのですね。
亜也の家族の絆がぬくもりに満ちているほど他者の冷たさが浮き彫りに
されて迫ってきます。
理香、かわいかったですね。一緒に歌ってほのぼのしました。
亜湖ったら、同じ高校に入って亜也をサポートすると言い出しました。
こんないい子に育てた潮香達は素晴らしい。
しかし、どれほど平穏を願っても事故は起きてしまいました。
模試の日、階段から落ちていく亜也。巻き添えで一緒に落ちるまり。
なぜいつもまりとさきだけがサポートするのでしょうか?
たまに通りかかる誰かが車椅子を上げてくれるけど隣にはいつも二人だけ。
クラスメートが友達の輪を呼びかけて亜也当番など作ったり
もっと大勢で手伝う発想はなかったのかしら?
けが人がでても知らない顔の担任にも学校のあり方にも疑問があります。
極めつけはまるで欠席裁判のようなHRが展開されました。
授業が遅れるのは困るという意見が。同情論もありましたね。
でも仲良しのさきやまりにに意見を問うのはきついことでした。
さきも疲れていたようです。
朝は皆、眠いですよね。休み時間も移動もいつも二人の手に負担がかかると
いう現実。毎日のことになればやはり時には休みたくなるでしょう・・・
病人を抱えた介護の方の話を聞くと、いつも一緒で息を抜けるときがないのが
きついといいます。そのためにヘルパーの手を借りたり、一日に何時間かは
自由な時間をとれるように制度が少しずつ整えられてきました。
でも、亜也のこの時代はまだそういう所までは気持ちが回ってないですね。
冷たいようですがはっきり言うならばさきを責められないと思いました。
しかしここで遥斗がとてもいいセリフを言いましたね。
これで日本中の涙がだいぶ癒されたのではないでしょうか。
「亜也のまえではいい顔をして、大丈夫だと言いながら
本人がいないときに迷惑だというのはお前らずるいよ」
さらに担任にたたみかけます。
「親に先に話して外堀をうずめるやり方はきたない」
「本人にきちんと向き合うべきだった」
これらをすべて立ち聞きしてしまった亜也。凍りつく教室。
いたたまれない亜也。そして追いかける遥斗。
もう亜也も遥斗も別れを予感していたのでしょうね。
二人の生物室でのふれあいもなくなるのかと思うと寂しいです。
どんどん辛い現実がここにも押し寄せてきましたね。
遥斗におんぶしてもらいながら階段をおり、車椅子での会話がやってきました。
「ペンギンの話でも魚や犬の話して・・・」
「何もできない。俺もあいつらと同じだから・・・」
そして冒頭の粉雪のシーンへと続きました。
きれいごとでは済まされない現実に押しつぶされそうになり
亜也と遥斗の辛さが重なり、涙が溢れて止まらなくなってしまいました。
もう目が腫れて痛いです。PCの仕事をする方、あなたの目は無事ですか?
終業式。
別れの日の亜也の話はクラスメートの心に響いたようです。
泣いて泣いて・・鼻水をすする・・・けれど誰も
「亜也・・行かないで!・・」とは言わなかったのですね。
亜也にとってこれが現実だと悟らされた何度目かの瞬間だったでしょうか。
それでも亜也が去って行く校庭にクラスメートが追いかけ合唱する。
・・・・「3月9日」
胸に染み入って、もう涙なしではいられないかもしれませんね。
亜也も両親も顔をくしゃくしゃにさせて、
・・・でも亜也の胸には遥斗の声だけが響いていたことでしょう。
本音と建て前の白々しさ。現実の前にどうすることもできない私達。
助けを必要とする人と、特に人には頼らずに生きていける人とは受け止め方に
大きな違いがあると思います。それでも誰もが優しい気持ちを持ってほしいし、
もしも、出会ったときには小さな手助けをさりげなくできる自分でいたいと
制作者側の願いを静かに受け止めていきたいと思います。
皆様、目が腫れて痛いとか自分の胸が痛くてよく眠れないとかなりませんでした?
う~ん、なんて言ったらいいのでしょう。
人々の目というのは本当に無意識でも意地の悪いものがありますよね。
私も何気なく視線を送ってしまったことがあったかもしれないです。
様々な反省とこれからどうすべきかを教えてもらったと思います。
今週は、亜也だけでなく家族もその視線の痛さを感じるというストーリーでした。
冒頭、 「私にもできることはきっとあるはず・・・」 ここから始まります。
いつも前向きな亜也、頭が下がりますね。
病院で日記を読んだ藤木兄は「お茶を飲んだらむせた」という一行に
非常に危機感を持ちます。これは嚥下障害を指していて亜也の場合、反射運動
や不随意運動、それか神経系の末端障害か。そのあたりなのでしょう。
もしもうまく飲み込めない事態となったら、普通の食事はとれなくなりますよね。
体力がなくなったら病気の進行が早くなりそうですし、先を考えると
これは見逃せない重大な一行でした。これは来週のために入れたシーンかな?
さて今週のタイトル「心ない視線」。
バスの中で席を譲られます。全員から浴びせられる好奇に満ちた視線。
近所の人たちの噂話。亜也は優秀でスポーツ万能と語られるタイプだけに
病気は亜也を一段低くしてしまったような言われ方です。
そしてそれは家族にも及んできます。
父の瑞生が取引を増やすために営業をしたスーパーで亜也の病気のことが
知れ、置いてもらえることになりました。
豆腐の品質勝負ではないところに複雑な心境の瑞生です。
また弟の弘樹が今週は涙の演技をしてくれました。
サッカーのレギュラーの座を奪われた同級生らによるいじめですね。
本人ではなく亜也を持ち出すところが非常に子供の特性がでています。
亜也のことをバカにされても言い返せない不甲斐ない弘樹です。
そこに亜湖登場。さすがは亜湖です。同級生を突き飛ばし、
「スポーツする資格なし」と宣言、さらに弘樹にも一喝いれます。
「亜也姉のこと恥ずかしく思っているの?最低!」
亜湖、2週前までは蚊帳の外に置かれていたことでいらいらしていたのが
先週の告知で乗り越え、そしてこんなに大きく成長しました。
亜也の辛さや、視線の痛さも肌で感じそれを自分のなかで消化しています。
しかも弟を叱り飛ばしながらもきちんと軌道を修正している、うまいですね。
兄弟っていいなあって思いました。
弘樹も泣きながら最後は亜湖の話を素直に受け入れています。
皆、亜也が大好き。そして自慢に思っていたのですね。
病気になったからといって亜也が亜也で無くなるはずはないしむしろ以前より
強く亜也を大事に思っているはず。それなのに他人からバカにされてしまう、
その矛盾と葛藤の狭間で子供なりに苦しんでいたのです。
それを亜湖によって引きずり出されそして亜也を誇りに思うことを隠さなくなる。
そこまでの心の軌跡を子供の目線で丁寧に描いてくれました。
亜湖のこの迫真のシーンずっと私、涙ぼろぼろでした。
今、思い出してもまた涙があふれてきます・・・
そして母の潮香のセリフも光っています。
「同情ってそんなに悪いことかな?同情って人の悲しみや苦しさを
自分のことと同じように思うことでしょ。偏見や差別の視線に負けないでほしい。
本当の思いやりの視線をちゃんとわかる子でいてほしい。」
さすが、母親です。すべてお見通しですね。
よく「同情されるのがいや」という言葉を聞きますが、同情って読んで字のごとく
情を通い合わせ同化することですよね。相手の心に重ねて思うことです。
「憐憫」と似ているような使い方をされているのかもしれませんね。
今回、潮香の言葉でやはり間違った言葉ではないことをしっかり認識できました。
・・・さて皆様ここから錦戸君との語らいに入りましょう。
彼はただ一人亜也を特別扱いしていませんね。
バスに向かって走る亜也を、自転車で様子を見ています。
生物部の手伝いを頼んだり、二人の間には高校生らしい爽やかな風が
吹いていますね。またいじめられている弘樹のことも目撃していますが
多くは語らず「亜也を大事にするように」とそれだけです。
随所、随所で優しい目配りをしている遥斗。
潮香流に言えば「本当の思いやりの視線」を持っているということでしょうか。
そして亜也は遥斗にはおそらく弘樹のトラブルも話したのですね。
「ほんとは来て欲しいって思っても言えないだろうし。男ってのは繊細だからさ」
とサッカーの試合を見に行くように勧めるのでした。
う~~ん、参りますよね。遥斗、かっこよすぎだよ。
二人がいつまでも交流できればいいのに、来週は転校の気配が。
でも遥斗よ、亜也の事はずっと見ていてくれるわね。
障害を持つことは自分だけではなく家族までもが試練を受けるのですね。
見てすぐにわかる障害だけでなく、表面に現れない障害だってありますよね。
また障害と認定が無くても何かに不自由するのはよくあること。
どんな時でも、自分にできることとできないこと、助けて欲しいことを
フラットな心で出していけるようでありたいです。
亜也の強さが周りを巻き込んで、
少なくとも亜也の周りはそうでありますようにと願いながら。
何てことでしょう。この愛くるしさに私はすっかり魅了されてしまっています。
くりくりした目の愛らしさと歯並びのかわいさ。
にこっと笑う頬に思わず吸い寄せられます。沢尻エリカさん・・
皆様、一押しスターになりそうな気配をひしひしと感じませんか?
さて今週の1リットル。「障害者手帳」あまりにも重いテーマでした。
先週に引き続いてこのテーマ。
脚本の江頭さんはきっとこの事について訴えたいものがあったのでしょう。
障害者手帳は「障害を克服し有する能力を生かし社会経済活動に参加する」
事を前提に交付するそうです。
先週、母の潮香の悩む姿でしたが今週は父親の苦しみを引き出していました。
亜也自身は意外とすんなりと受け入れているのに
家族が苦しむその複雑な葛藤はどこからくるのでしょうか?
行政のランク付けの壁。人々の視線。レッテルを貼られることの不快感。
どんなに平らかな心でいてもどこかに抵抗を感じるのはおしなべて世間から
受ける見えない差別の壁があるからではないですか。
あえてその壁を突き抜けたご家族に改めて大きな拍手を送りたいと思います。
ところで亜也は一時退院の許可がでます。
先週から一気に病状が悪化しているのを痛々しく感じますが、
とにかく家に帰り、登校できるのは嬉しいことですね。
だって遥斗との語らいの場が必ずこのドラマには必要なんです。
体育を見学しているときに倒れた亜也。
その後の医師藤木直人と遥斗との会話にも興味が惹かれます。
「治るのか」「自分で調べろ」「・・ならわかるだろう」って。
医師として万能ではない苦悩とこれから新薬の可能性の希望を持ちたい、
この二つが揺れ動いているのよねきっと、藤木兄~~。
あとちょっと溜飲が下がったのが遥斗の父親が深入りするなと言った時、
「わからない」と答えたことかしら。
ドラマとしてはこうでなくちゃ~~と思います。
今週のもう一つ気になるテーマです。
動きにくくなった亜也を友人達は付き添うことで支えます。
その度に心苦しく「ごめん」を繰り返す亜也です。
しかし、友人達はできることをやっているだけで普通なのですね。
このとき、以前読んだ一編を私の脳みそがプレイバックしていました。
それは、筆者が道を歩いている時に車椅子の少年から溝にはまった
車椅子をどかすのを手助けしてほしいと頼まれるのです。
そして筆者は了承し手伝ってあげるわけです。
その後、その少年は爽やかに「ありがとう」と言って去っていくのです。
たったそれだけなのに筆者はが~んと頭を殴られたように衝撃を
受けていたんだそうです。「ごめん」でもない、恐縮するでもない、
ただ「ありがとう」ということに。
できる人がたまたまでき難い人に普通にさりげなく手助けし
されるほうも普通に感謝する。
そのたったそれだけの当たり前のことに気付いたということでした。
そして亜也もこのことに気付いたのですね。
普通にさりげなく・・・「ありがとう」と。
では皆様、ここから一気にエンディングへと向かいましょう。。
シュートの練習をする亜也。へたくそといわれ・・
遥斗に片付けるのを手伝ってと自然に甘えてるじゃない。
病気を知られていることだけでなく親近感とそれ以上の何かを感じているのね。
泣かないように見張ってほしい。
河本先輩へ涙を堪えながら電話するシーン。
ホントは泣きたいの知ってるから「冷たい奴だ」とあえて『泣いてもいいんだ』と
言ってるのに、亜也ったら強がって罰金取られるからなんて・・・
うっかりこっちが泣いてしまうでしょ。
見える形で気遣う級友達とは反対ではあるが、いつも亜也を見ているんだと
その理解のぬくもりを感じさせ、しなやかな感情を見せてくれました。
若いっていいわね~~。
遥斗君、君に亜也を任せるよ。
PS 亜湖、とうとう知ってしまいましたね。ショックでしたがこれで今までの
不可解現象が解消されましたね。すぐには理解できないでしょうけど
きっとこの先、お姉ちゃんの良い味方となってくれるわね。
お願いします。
番組の最後に原作者の写真が流れます。いつもながら涙を誘われています。
このシーンを出すことで福祉ドラマ、お涙頂戴に偏らない製作者側のプライドを
感じています。でも私、今日も顔が腫れていて外にで出られません・・・
沢尻エリカって子供達の間では教祖様のように慕われてる
女優さんのようです。初めて見たとき、ぱちくりしたお目目と
ふっくらしたほっぺ、喋り方の口の開け具合など誰かに似てるって。
そうそう深田恭子に似てるんだわ、ってことはワタシとそっくり??
へへ、すいませんね。その昔、深キョンと呼ばれておりまして。。。
そんなわけでってどんなわけでもないですがずっとこの1リットルを書くべきだと
いう声があり(←いや勝手に言ってたのだが)
いきなりどかんと4話に入ってしまいます。お許しください。
今回のタイトルが「二人の孤独」でした。
始まってすぐに告知のシーンで泣かされました。(泣いたよね?)
脊髄小脳変性症。
詳しい病状の説明はしませんが最後は死に至る病気のようです。
まだ高校1年でこの先楽しい事、将来の夢、胸膨らむ思いがあふれるというのに
いきなり命の期限を突きつけられるような、もし自分だったら、我が子だったらと
想像したくない事柄を置き換えてみても残酷で余りあります。
気丈にも全身で受け止めているように見えた亜也ですが、それは表面的であり
奥底には認めたくない不条理さが渦巻いていたことでしょう。
花火の日に夜店を歩く河本先輩との心浮き立つ時間が異常な転び方で
すべてを台無しにしてしまいます。
それは亜湖に見られたことでも亜湖にも心配の種を植えることになりましたね。
さてその河本先輩はオトコとしては最低の部類かもしれないですね。
動物園での待ち合わせにも電話一本で断り、現れませんでした。
でも世間的一般の反応はそういうものなのかもしれません。
ワタシの周囲にも似た話があり、あえて語りません。
ここで今回のタイトルを思い出しましょう。
「二人の孤独」です。一人は言わずもがな、いきなり孤独になってしまった
亜也ですね。かわいそうに・・。何度泣いてもかわいそうすぎます。
さてもう一人の孤独。そうです遥斗です。
遥斗のシーンも悲しすぎました。
釣りに行き、川に落ちてしまった(らしい)兄が川下で見つかるという事故。
それだけでも酷いのに、両親は兄の名前を泣き叫び、呼び続けます。
「どうして圭輔なんだ・・・」と。
それを遥斗が聞いてしまうのが、ここの家族の苦しみの始まりなんですね。
自分が死ねばよかったのか・・遥斗はそう思ったでしょうね。
遥斗は亜也の病気を知ってしまい、河本先輩の不誠実さも目撃してしまう。
それで亜也が待つ動物園へと走ります。
ラストの亜也が強くなっていることに驚かされますが、告知を自分なりに
消化したということでしょうか。
遥斗がこの先、亜也と急接近していくのでしょうね。
正直に言えば随分、都合のいい話に見えますが原作でもこうだったのですか?
でもこのような設定をすることで、ドラマとしてはかなり見所ができたと
思いますよね。二人の間に恋が芽生える??
錦戸亮君、高校生の屈折した心理をうまく演じてくれていると思います。
4話はエンディングも泣かせてくれました。