03/09/2009 誰も守ってくれない
とても恐く、そして上手い筋立てでした。
ストーリー
未成年の兄が連続殺人容疑で逮捕されたため、沙織の生活は一変。刑事は世間の中傷やマスメディアの追及を受ける沙織の保護を命じられる。
沙織と同い年の娘を持つ勝浦刑事(佐藤浩市)もまた、仕事に没頭して家庭崩壊寸前。2人は次第に心を通わせていく。
警察は社会的制裁から守るためという理由で被疑者家族を母方の姓に変更。父は休職、沙織は休学となり社会との接点を封じられる。
さらにメディアの取材攻勢をかわすため、家族はバラバラに裂かれ、沙織は東新宿署の勝浦刑事の元へ。
事件のショックで心を閉ざした沙織と、沙織を守りつつも彼女から兄の犯行を決定付ける証言を得たい勝浦。
だが、勝浦自身にも崩壊寸前の家庭を必死につなごうとしている同年代の娘がおり、沙織の辛さが痛い程分かる。
この映画に先立ってドラマの「誰も守れない」も見たのですが
あのときは龍平さんがシャブ漬けになったりして
酷かったんですよね。
そういう過去も映画のセリフに飛び出していましたが
知らなくても流せる程度の入れ方でした。
しかし犯罪家族へのマスコミやネットの異常な反応がとっても恐かった。
それにつきます。
常々犯罪者と家族は別物と考えてきましたが
やはりそれは今も変わりませんでした。
志田未来演じる沙織の兄が近所の幼姉妹を殺害した容疑で逮捕されますが
ここに警察がやってきて家族を守るという方向にいきます。
父親、母親、そして沙織も別々のホテルに軟禁され保護監視にあたるというところの
状況がつかめます。
また、同時に区役所の職員もやってきて
離婚と婚姻を行い、名前を旧性に変える等処置をほどこしています。
マスコミ対策ですが、
しかし、沙織の交友関係などはスルーされているのがちょっと甘いですね。
ネット内では「だいまじん」が掲示板を作り
そこで噂が飛び交うのですが
名前も住所も顔写真も全部出されていました。
犯罪者家族は死んで償えという言葉が出てきましたが
まず最初に母親がトイレで自殺してしまうということが起きます。
沙織はマスコミから逃れて伊豆にいたわけで
母親の死に目にもあえていません。
犯罪者という容疑者が出た時点で
家族の崩壊が始まるというのは全くその通りのようです。
これが容疑だけであり
後に冤罪となったとき、
国はどれほどの補償をしてくれるのか知りたいですね。
それほど犯罪家族というのも酷い扱いを受けるものなのです。
ニュースの中では被害者が泣き崩れ、
幼い姉妹を映し、ますます犯罪者及び家族は糾弾されることになります。
警察は世間の関心を一手にうけて事件の解明を進めることになるわけです。
週刊誌記者の佐々木蔵之助ですが、沙織を守っている勝浦刑事@佐藤浩市の顔に
見覚えがあり、調べていくと過去に通り魔事件の犯人を取り逃がしているということに突き当たる。
それで犯罪者の家族を守ることに感情的な反対記事をあげるわけです。
それによって勝浦刑事の家族も嫌がらせにあうなど
事件の影響はヒートアップしていくのでした。
勝浦刑事の過去の事件でしたが
伊豆のペンションを営む柳葉敏郎と石田ゆり子がその被害者です。
当時、街を歩いていた母子でしたが、薬物常用者に三歳の子供を殺害されたのでした。
その後、夫婦には子を守れなかったということで夫が妻を詰ったりなど
危機もあったようですが
乗り越え、二人でペンションを続けてきたという経緯があります。
このペンションに匿ってほしいと沙織をつれていった勝浦刑事でした。
最初、事件を知らなかった夫婦ですが
野次馬やニュースにより事件の概要を知り、
また二人がこのペンションに隠れていることも白日のもとにさらされます。
被害者と加害者家族というけれど
思いは同じだという勝浦刑事ですが
被害者として受け入れがたいと苦しむ柳葉の姿があります。
最終的には納得していく夫婦の姿が見事でした。
沙織のボーイフレンド@冨浦がこのペンションに侵入。
これが曲者で、ネットに流していたのがどうもこいつらしかった。
言葉巧みに沙織を連れ出し、
ホテルの一室に閉じ込めて、カメラでネットに接続していたという経緯もあります。
すごく恐い一件でした。
「背筋が凍る」というセリフが何度も出てきますが
こ映画、まさに背筋は凍りっぱなしなのです。
この映画を見て最初に思いだしたのは
秋葉原の通り魔の殺害事件です。
あのあと、両親がマスコミの前に出て謝罪したことが強く印象に残っています。
いろんなことを言われていましたがかわいそうでした・・。
犯人と両親(家族)は別物だという意識は絶対に必要ですよね。
映画の最後には事件を起こした背景などが少しわかってきますが
兄を勉強漬けにしていた両親という姿が見えてきました。
子供の時から仲良くしていたはずなのに
いつからか兄は笑わなくなり沙織に助けてくれというメッセージを出していた。
でも沙織もどうすることも出来なくなっていった。
そして追いつめられた兄が近所の子を殺害したかもしれない・・。
それは血のついた手を洗っていたという状況的なものしかわかりませんでしたが
おそらく兄は犯人なのでしょう。
勝浦刑事が体を張って沙織を守ってくれたことにより
沙織は刑事に心を開いていきますが
刑事もこの加害者の家族というレッテルは一生ついて回るということを話し、
だからこそ、父親と兄を沙織が守っていかないといけないと諭しています。
まだ15歳の女の子なのになんという重さかとその現実に目がくらくらします。
この先楽しいことが待ってるのかどうか?
今は誰も信じられないこの子がおそらく一番強く乗り越えていけるはずだと
刑事は思ったに違いないのです。
しかし、ずっしり重いテーマに終わったあとも呆然としたままの私なのでした。
見ごたえのある作品だったと私はかなり高い評価ですが
一緒に行った友人は少しも面白くなかったと酷評でした。
う~~~~ん・・・・・
未成年の兄が連続殺人容疑で逮捕されたため、沙織の生活は一変。刑事は世間の中傷やマスメディアの追及を受ける沙織の保護を命じられる。
沙織と同い年の娘を持つ勝浦刑事(佐藤浩市)もまた、仕事に没頭して家庭崩壊寸前。2人は次第に心を通わせていく。
警察は社会的制裁から守るためという理由で被疑者家族を母方の姓に変更。父は休職、沙織は休学となり社会との接点を封じられる。
さらにメディアの取材攻勢をかわすため、家族はバラバラに裂かれ、沙織は東新宿署の勝浦刑事の元へ。
事件のショックで心を閉ざした沙織と、沙織を守りつつも彼女から兄の犯行を決定付ける証言を得たい勝浦。
だが、勝浦自身にも崩壊寸前の家庭を必死につなごうとしている同年代の娘がおり、沙織の辛さが痛い程分かる。
この映画に先立ってドラマの「誰も守れない」も見たのですが
あのときは龍平さんがシャブ漬けになったりして
酷かったんですよね。
そういう過去も映画のセリフに飛び出していましたが
知らなくても流せる程度の入れ方でした。
しかし犯罪家族へのマスコミやネットの異常な反応がとっても恐かった。
それにつきます。
常々犯罪者と家族は別物と考えてきましたが
やはりそれは今も変わりませんでした。
志田未来演じる沙織の兄が近所の幼姉妹を殺害した容疑で逮捕されますが
ここに警察がやってきて家族を守るという方向にいきます。
父親、母親、そして沙織も別々のホテルに軟禁され保護監視にあたるというところの
状況がつかめます。
また、同時に区役所の職員もやってきて
離婚と婚姻を行い、名前を旧性に変える等処置をほどこしています。
マスコミ対策ですが、
しかし、沙織の交友関係などはスルーされているのがちょっと甘いですね。
ネット内では「だいまじん」が掲示板を作り
そこで噂が飛び交うのですが
名前も住所も顔写真も全部出されていました。
犯罪者家族は死んで償えという言葉が出てきましたが
まず最初に母親がトイレで自殺してしまうということが起きます。
沙織はマスコミから逃れて伊豆にいたわけで
母親の死に目にもあえていません。
犯罪者という容疑者が出た時点で
家族の崩壊が始まるというのは全くその通りのようです。
これが容疑だけであり
後に冤罪となったとき、
国はどれほどの補償をしてくれるのか知りたいですね。
それほど犯罪家族というのも酷い扱いを受けるものなのです。
ニュースの中では被害者が泣き崩れ、
幼い姉妹を映し、ますます犯罪者及び家族は糾弾されることになります。
警察は世間の関心を一手にうけて事件の解明を進めることになるわけです。
週刊誌記者の佐々木蔵之助ですが、沙織を守っている勝浦刑事@佐藤浩市の顔に
見覚えがあり、調べていくと過去に通り魔事件の犯人を取り逃がしているということに突き当たる。
それで犯罪者の家族を守ることに感情的な反対記事をあげるわけです。
それによって勝浦刑事の家族も嫌がらせにあうなど
事件の影響はヒートアップしていくのでした。
勝浦刑事の過去の事件でしたが
伊豆のペンションを営む柳葉敏郎と石田ゆり子がその被害者です。
当時、街を歩いていた母子でしたが、薬物常用者に三歳の子供を殺害されたのでした。
その後、夫婦には子を守れなかったということで夫が妻を詰ったりなど
危機もあったようですが
乗り越え、二人でペンションを続けてきたという経緯があります。
このペンションに匿ってほしいと沙織をつれていった勝浦刑事でした。
最初、事件を知らなかった夫婦ですが
野次馬やニュースにより事件の概要を知り、
また二人がこのペンションに隠れていることも白日のもとにさらされます。
被害者と加害者家族というけれど
思いは同じだという勝浦刑事ですが
被害者として受け入れがたいと苦しむ柳葉の姿があります。
最終的には納得していく夫婦の姿が見事でした。
沙織のボーイフレンド@冨浦がこのペンションに侵入。
これが曲者で、ネットに流していたのがどうもこいつらしかった。
言葉巧みに沙織を連れ出し、
ホテルの一室に閉じ込めて、カメラでネットに接続していたという経緯もあります。
すごく恐い一件でした。
「背筋が凍る」というセリフが何度も出てきますが
こ映画、まさに背筋は凍りっぱなしなのです。
この映画を見て最初に思いだしたのは
秋葉原の通り魔の殺害事件です。
あのあと、両親がマスコミの前に出て謝罪したことが強く印象に残っています。
いろんなことを言われていましたがかわいそうでした・・。
犯人と両親(家族)は別物だという意識は絶対に必要ですよね。
映画の最後には事件を起こした背景などが少しわかってきますが
兄を勉強漬けにしていた両親という姿が見えてきました。
子供の時から仲良くしていたはずなのに
いつからか兄は笑わなくなり沙織に助けてくれというメッセージを出していた。
でも沙織もどうすることも出来なくなっていった。
そして追いつめられた兄が近所の子を殺害したかもしれない・・。
それは血のついた手を洗っていたという状況的なものしかわかりませんでしたが
おそらく兄は犯人なのでしょう。
勝浦刑事が体を張って沙織を守ってくれたことにより
沙織は刑事に心を開いていきますが
刑事もこの加害者の家族というレッテルは一生ついて回るということを話し、
だからこそ、父親と兄を沙織が守っていかないといけないと諭しています。
まだ15歳の女の子なのになんという重さかとその現実に目がくらくらします。
この先楽しいことが待ってるのかどうか?
今は誰も信じられないこの子がおそらく一番強く乗り越えていけるはずだと
刑事は思ったに違いないのです。
しかし、ずっしり重いテーマに終わったあとも呆然としたままの私なのでした。
見ごたえのある作品だったと私はかなり高い評価ですが
一緒に行った友人は少しも面白くなかったと酷評でした。
う~~~~ん・・・・・
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