05/12/2009 カンブリア宮殿 (出光興産)
石油がない生活はまだ無理ですが、徐々に減らす方向に来ていますね。
今週は出光興産社長(8代目)の天坊昭彦さん。
創業社長が作った社是というのがあり
従業員は家族であり、大切なものだから
横槍が入る可能性が大きい株式上場はしないという方針でしたが
それを打ち破ったのがこの社長です。
経理端を歩いてきたことで数字に強い事を買われ
出光最大の危機が訪れたときに社長就任しました。
出光は野武士集団という形で呼ばれていたんですね。
石油は99.7%輸入に頼っていますが
中東の石油はドロッとしていて液体の粘液というところですが
中国のはろうそくのろう分が多くてほぼ固形に近い石油です。
だから中東の石油を使うのか?
石油と言ったらがソリンや灯油が最もはっきり分かる形ですが
プラスチックからナイロンに至るまで製品材料はほぼ石油で作られていて
生活はもやは石油ナシでは成り立たないわけです。
石油は中東から20日かけて船で運ばれてきますが、
沖合いに停泊したまま地下のパイプラインを通して製油所に送られています。
山口県周南市。1956年出光最初の製油所。
巡回は徒歩では無理で自前で自転車を持ってきていましたが
周辺数キロという広大な面積に製油所が作られています。65万坪だって。
石油を加工してガソリン灯油軽油重油となりますが
これらから繊維や界面活性剤なども作られるわけです。
この製油所を作るのに6000億~7000億かかるとか。
単位が大きすぎて想像がつきません。
北海道で井戸を一本掘るのに100億かかるそうですが
石油がどれくらいとれるのか計るためには5本は掘らないとわからないそうで
試しにやってみるだけでも500億かかるという計算ですから
民間企業では手に余るものがあります。
石油会社は日本には昭和石油とかシェルとか数社があるわけですが
みんな合併してできたのに
出光だけは単独での会社です。
ひとりでできることは一人でやった方がいいという持論です。
野武士と呼ばれるのはここからきたの?
1953年に日章丸が中東に船をだし石油を買い付けてきた。
これが創業者の出光佐三。
日章丸事件になっていますが、
それまでアメリカ経由でしか買えなかったものを直接メジャーに買い付けに行ったことでまさに事件。
高度経済成長の波にのり出光も栄えた。
創業者社長は「人間尊重」を掲げ社員は家族とし、
タイムカード定年リストラがない。
そして上場しない方針を貫いた。
外部からの圧力をさけるためにだそうです。
創業家ではない天坊が社長になったのは有利子負債が2兆5000億になったとき。
アメリカの格付けで投資が投機的だと最低ランクにされた。
出光が潰れると噂が流れ、本当の危機がやってきた。
この時に、重役たちを前にして銀行からの借り入れを減らし
株式に上場して資金を集めたほうがいいと発言したのが天坊。
なかなかその通りにはならなかったが世の中の動きがそうなっていったので
天坊のいうことも理解されてきた。
2006年に株式上場。
現在の日本では新日本石油が1位で売り上げが7兆円。
2位が出光ですが3兆円台の売り上げ。
以下3位から6位まで3兆円台ですから皆同じくらいの規模ですね。
上場から3年たち有利子負債は8000億円に減りました。
着々と手を打ってきたようです。
戦前出光は国内で需要がないために石油を中国で売っていた。
戦後は国の管理になり、外資のエクソンなどから経由して石油が国内に入ってきたが、
出光は目ざわりということで出光には売らないとイジワルされたといっていました。
イランが国有化したときに、出光が単独で日章丸を派遣して買い付けてきた。
そのとき、日章丸を撃沈させるという動きもあったが裏をかいてちゃんと帰船できた。
これが「事件」となっているとのことです。
とにかく単独で買い付けできた功績は大きい。
石油事業は右肩上がりで伸びていき、
その需要にあわせて製油所を作るという設備投資があったが
85年のバブルの時期から横ばい。
需要があるうちは設備投資にいくらかけても間違いはないが
その時期を見誤ると一気に落ちてしまう。
実際、それまで石油は絶対的需要だという甘さがあった。
需要を作るという努力をしたことがなかったという。
石油資源を6割を埋蔵する中東では石油争奪の熾烈な交渉が行われている。
中でも中国は石油外交を仕掛けていた。
3月、カタールにいる天坊。
カタールからは2割の原油を買い付けています。
ここで製油所を作るということを一緒にやることになったそうです。
この製油所に100億の投資。
6月の運転開始を目ざしています。
原油の供給から石油化学製品事業国として参戦するという意識に変わってきている。
その技術協力の見返りとして原油を買い付けするということか。。。?
原油価格はオイルショックとか湾岸戦争などで高騰してますが昨年夏が激しい高値。
今は元に戻しているが長い目で見ていけば少しずつ上がると天坊さんは言っています。
代替エネルギーはいくらかあるけれど石油のように安く使えるまでにはなっていないことからしても
まだまだ石油は十分な量を確保しなければならないが
国としては力が足りないのではと村上さんが言っています。
国は国としてやってもらうということ。
そして出光としてできることは向こうの事業に協力することで
出光が困れば向こうも困るという状況を作ることが
将来的にも安定供給につながるという。
脱石油としての進む方向は間違ってないという天坊さん。
エネルギーだけじゃなく化学製品につかうことも多いということで
新製品を見せてくれました。
有機ELディスプレイ
電気エネルギーを加えると自ら光を出す物質
農業では微生物農業
微生物が農薬の代わりになるという
納豆菌から保湿剤
そして中東の砂漠を緑の草原にする事業。
アブダビ国
砂漠の厳しい環境に耐える緑化植物の研究。
この地の緑化を任されたのが江頭さん
クラピアはイワダレソウを改良したものですが、
少ない水でもよく育ち砂漠の砂を覆う効果があるとか。
試験場の開発者も褒めています。
実際に踏んでみるとゴルフ場に使えるという感触が・・。
クラピアが採用されるといいですね。
*****
石油は国のエネルギーとして根幹である(天坊さん)わけですが
国としての方向をきちっとしてほしいところがあります。
脱石油は方向としてはいいけれど
まだその次ができてないのでまだまだ石油は重要です。
ただ需要が減ってくることは間違いない。
そこを見極めることが重要だとのことでした。
製油所をひとつ作るのに膨大な投資ですから
投資をしたあとで需要がなくなったとしたら損失は国が転覆するくらいですか。
とにかく数字が大きくてもう把握ができません。
創業者社長も理念をすばらしく掲げておられましたし
それはどこから見ても間違いのないところでしたが
上場をしたほうがいいという天坊さんの意見が通って
そのおかげで負債が減ったというのが興味深い点でした。
淡々としてますし、下手な事は言わないこの人は
やはり経理の人ですね。
納得しました。
創業社長が作った社是というのがあり
従業員は家族であり、大切なものだから
横槍が入る可能性が大きい株式上場はしないという方針でしたが
それを打ち破ったのがこの社長です。
経理端を歩いてきたことで数字に強い事を買われ
出光最大の危機が訪れたときに社長就任しました。
出光は野武士集団という形で呼ばれていたんですね。
石油は99.7%輸入に頼っていますが
中東の石油はドロッとしていて液体の粘液というところですが
中国のはろうそくのろう分が多くてほぼ固形に近い石油です。
だから中東の石油を使うのか?
石油と言ったらがソリンや灯油が最もはっきり分かる形ですが
プラスチックからナイロンに至るまで製品材料はほぼ石油で作られていて
生活はもやは石油ナシでは成り立たないわけです。
石油は中東から20日かけて船で運ばれてきますが、
沖合いに停泊したまま地下のパイプラインを通して製油所に送られています。
山口県周南市。1956年出光最初の製油所。
巡回は徒歩では無理で自前で自転車を持ってきていましたが
周辺数キロという広大な面積に製油所が作られています。65万坪だって。
石油を加工してガソリン灯油軽油重油となりますが
これらから繊維や界面活性剤なども作られるわけです。
この製油所を作るのに6000億~7000億かかるとか。
単位が大きすぎて想像がつきません。
北海道で井戸を一本掘るのに100億かかるそうですが
石油がどれくらいとれるのか計るためには5本は掘らないとわからないそうで
試しにやってみるだけでも500億かかるという計算ですから
民間企業では手に余るものがあります。
石油会社は日本には昭和石油とかシェルとか数社があるわけですが
みんな合併してできたのに
出光だけは単独での会社です。
ひとりでできることは一人でやった方がいいという持論です。
野武士と呼ばれるのはここからきたの?
1953年に日章丸が中東に船をだし石油を買い付けてきた。
これが創業者の出光佐三。
日章丸事件になっていますが、
それまでアメリカ経由でしか買えなかったものを直接メジャーに買い付けに行ったことでまさに事件。
高度経済成長の波にのり出光も栄えた。
創業者社長は「人間尊重」を掲げ社員は家族とし、
タイムカード定年リストラがない。
そして上場しない方針を貫いた。
外部からの圧力をさけるためにだそうです。
創業家ではない天坊が社長になったのは有利子負債が2兆5000億になったとき。
アメリカの格付けで投資が投機的だと最低ランクにされた。
出光が潰れると噂が流れ、本当の危機がやってきた。
この時に、重役たちを前にして銀行からの借り入れを減らし
株式に上場して資金を集めたほうがいいと発言したのが天坊。
なかなかその通りにはならなかったが世の中の動きがそうなっていったので
天坊のいうことも理解されてきた。
2006年に株式上場。
現在の日本では新日本石油が1位で売り上げが7兆円。
2位が出光ですが3兆円台の売り上げ。
以下3位から6位まで3兆円台ですから皆同じくらいの規模ですね。
上場から3年たち有利子負債は8000億円に減りました。
着々と手を打ってきたようです。
戦前出光は国内で需要がないために石油を中国で売っていた。
戦後は国の管理になり、外資のエクソンなどから経由して石油が国内に入ってきたが、
出光は目ざわりということで出光には売らないとイジワルされたといっていました。
イランが国有化したときに、出光が単独で日章丸を派遣して買い付けてきた。
そのとき、日章丸を撃沈させるという動きもあったが裏をかいてちゃんと帰船できた。
これが「事件」となっているとのことです。
とにかく単独で買い付けできた功績は大きい。
石油事業は右肩上がりで伸びていき、
その需要にあわせて製油所を作るという設備投資があったが
85年のバブルの時期から横ばい。
需要があるうちは設備投資にいくらかけても間違いはないが
その時期を見誤ると一気に落ちてしまう。
実際、それまで石油は絶対的需要だという甘さがあった。
需要を作るという努力をしたことがなかったという。
石油資源を6割を埋蔵する中東では石油争奪の熾烈な交渉が行われている。
中でも中国は石油外交を仕掛けていた。
3月、カタールにいる天坊。
カタールからは2割の原油を買い付けています。
ここで製油所を作るということを一緒にやることになったそうです。
この製油所に100億の投資。
6月の運転開始を目ざしています。
原油の供給から石油化学製品事業国として参戦するという意識に変わってきている。
その技術協力の見返りとして原油を買い付けするということか。。。?
原油価格はオイルショックとか湾岸戦争などで高騰してますが昨年夏が激しい高値。
今は元に戻しているが長い目で見ていけば少しずつ上がると天坊さんは言っています。
代替エネルギーはいくらかあるけれど石油のように安く使えるまでにはなっていないことからしても
まだまだ石油は十分な量を確保しなければならないが
国としては力が足りないのではと村上さんが言っています。
国は国としてやってもらうということ。
そして出光としてできることは向こうの事業に協力することで
出光が困れば向こうも困るという状況を作ることが
将来的にも安定供給につながるという。
脱石油としての進む方向は間違ってないという天坊さん。
エネルギーだけじゃなく化学製品につかうことも多いということで
新製品を見せてくれました。
有機ELディスプレイ
電気エネルギーを加えると自ら光を出す物質
農業では微生物農業
微生物が農薬の代わりになるという
納豆菌から保湿剤
そして中東の砂漠を緑の草原にする事業。
アブダビ国
砂漠の厳しい環境に耐える緑化植物の研究。
この地の緑化を任されたのが江頭さん
クラピアはイワダレソウを改良したものですが、
少ない水でもよく育ち砂漠の砂を覆う効果があるとか。
試験場の開発者も褒めています。
実際に踏んでみるとゴルフ場に使えるという感触が・・。
クラピアが採用されるといいですね。
*****
石油は国のエネルギーとして根幹である(天坊さん)わけですが
国としての方向をきちっとしてほしいところがあります。
脱石油は方向としてはいいけれど
まだその次ができてないのでまだまだ石油は重要です。
ただ需要が減ってくることは間違いない。
そこを見極めることが重要だとのことでした。
製油所をひとつ作るのに膨大な投資ですから
投資をしたあとで需要がなくなったとしたら損失は国が転覆するくらいですか。
とにかく数字が大きくてもう把握ができません。
創業者社長も理念をすばらしく掲げておられましたし
それはどこから見ても間違いのないところでしたが
上場をしたほうがいいという天坊さんの意見が通って
そのおかげで負債が減ったというのが興味深い点でした。
淡々としてますし、下手な事は言わないこの人は
やはり経理の人ですね。
納得しました。
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