成果主義の導入で疲弊した営業マンたちですが
結果もあまり思わしくなく
さらに評価を一方的に低くして
リストラの対象にされたりしています。
企業の模索が続きますが、
そのなかでペット用品の「ユニチャームペットケア」の例です。
二神軍平社長は販売ノルマを撤廃し、
逆に行動ノルマを課したのが社員を刺激し
結果として売り上げを増大。
2006年にはペット業界トップに。
社長曰く意識を変えて行動が変わるのではなく
まず行動することで意識が変わってくると言いました。
売り上げのノルマを外した代わりに
50回の訪問を60回にし、金曜には次週のプランを練るなど足で考える営業マンの姿がありました。
13歳以上の老愛犬に与えるペットフードの開発、提案がありましたが
ペットフードもきめ細かさが要求される時代なんですね。
訪問回数を増やし、店での売り方を提案するなど
販売促進の営業の仕方も変わってきました。
「資生堂美容室」
かつてカリスマ美容師のブームがありましたが
給料体系も基本給+歩合なので歩合になる指名客には手厚く、フリーの客は扱わないという
自己中になりやすい制度を撤廃。
グループ制という新しい制度を導入しました。
売り上げ目標を例えば月に800万と設定し、リーダー美容師アシスタント10人体制のチームで
目標に向かうというやり方です。
これが、結局一人のリーダーが大きく稼ぐのではなく皆で助け合い、
全員が力をつけて育っていくという意味でも成果をだしています。
ただ売り上げ目標が高い設定だと届かないチームのリーダーなどは悩みます。
そういう点でも、中間管理職という企業と同じ位置なわけで
自分の力はトップクラスなのに・・と悩むわけです。
結果としてチームとちゃんと話し合うことが大事だとわかったようです。
制度はドライだけれど、そこに愛情というウエットなものが必要だというのが
店長の板野寿之さんの言葉でした。
また、ITベンチャー企業の「サイボウズ」は情報共有ソフトの開発ですが、
マイクロソフトと提携しています。
かつて、猛烈な成果主義で引っ張り続けたルールですが
最低評価を2期連続すると退社というルールもあったそうです。
それにより退職率も23%というすごい数字になったとか。
年俸制の導入により、残業、休日出勤も厭わない社員たち。
しかしソフトの開発には長い年月が必要なために長い目で働いてもらうことも必要だと
成果主義に加えて年功重視型も採用しました。
年功重視なので時給制で出世もまず出来ない代わりに時間は自由になります。
年功重視型を選択した社員は子供が小さいので今のうちに見守りたいと考え
定時に退社していきました。
結婚10年目で子供が生まれたそうですから可愛いのですね。
猛烈に働く社員の一方で、こういう生き方もできるのはありがたいことですね。
能力はあるけれど体を壊したとか自分のペースで生きたい人にも向いています。
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リストラの道具として成果主義を使うのはとっても嫌なものですね。
人の首を切ったらその人自身だって悪夢で会社にはいられなくなりそうな・・・。
そんな中で、新しい働き方を工夫しようと試みる会社は
社員を大事にする姿勢が見え、これから大きくなりそうです。
不況を乗り越えるために社員をやる気を起こさせ、
そして結果を出しているこれらの会社に
私は素直に感動していました。
次回は週末起業だそうですから
ますます面白そうです。