02/27/2011 遺恨あり ~明治十三年 最後の仇討~
珍しくのめりこんだ時代モノでした。面白かったです。
江戸城の無血開城から間もない、慶応4年5月。秋には明治と年号が改められる、武家社会終焉の年。九州の山深い小藩、秋月藩でその事件は起きた。
その夜、秋月藩の執政・臼井亘理(豊原功補)の屋敷に、同藩の過激攘夷派の藩士の集団“干城隊”が侵入。 亘理の首をとり、その妻・清(濱田万葉)を惨殺したのだ。開国派のリーダーである亘理を気に食わない攘夷派の秋月藩国家老・吉田悟助(石橋蓮司)がそそのかしたのだった。
物音に気付いた亘理の息子・六郎は、父のもとに駆けつけるが、そこで目にしたものは両親の惨い遺体と、暗い部屋の隅にぼう然と座っている、幼い妹・つゆの姿だった…。
清の兄・四郎兵衛(相島一之)、亘理の弟・助太夫(田口浩正)は、すぐさま国家老の吉田に仇討を願い出る。だが、吉田は藩の法度で私闘は禁じられていると言い、この事件を闇に葬り去る。しかも、干城隊へのお咎めはなし。その一方で臼井家には50石の家禄減知という、あまりにも理不尽な処分が下され、11歳の六郎は父母の仇討ちを胸に誓った…。
明治5年。廃藩置県で武士は家禄を失い、士族という名の失業者になった。16歳になった六郎(藤原竜也)はなか(松下奈緒)と力を合わせ、下手人を調べ上げていた。父を殺したのは一瀬直久(小澤征悦)、母を殺したのは萩谷伝之進(岡田浩暉)であると…。だが、助太夫は早々に仇討をあきらめ、四郎兵衛も「仇討など忘れろ」と六郎を諭し、下級役人の職を得て東京に出て行った。
ひとり仇討への思いが捨てられず、黙々と剣の稽古を続ける六郎に、一瀬が東京へ行くという噂が届く。太政官の役人となるのだという。
仇討決行を決意した六郎は、父の形見の脇差を手に、早朝、藩境の峠道に身を潜めて一瀬を待つ。だが、一分の隙もない物腰の一瀬を見て、六郎は身動きすらできず、情けなさに身を震わせる。次第を聞いたなかも、また「うちも悔しかです…」と静かに涙を流すのだった。
明治6年2月7日、太政官は“仇討禁止令”を発布。これ以降の仇討は謀殺の罪として、死罪にされることになった。
明治9年、秋月で小学校の代用教員の職についていた六郎は、ついに東京に出る決意を固める。祖父・儀左衛門(平泉成)や助太夫には「勉学を重ねて官に職を得たい」と話すが、もちろん仇討の決意を秘めてのことだった。
「きっと、御本懐を遂げられますよう。お祈り申して上げております」。まるで武士の妻のように指をついて六郎を送り出したなかは、福岡県庁で給仕の職につくことを決めた。県庁ならば、上京した人間の消息も聞こえてくるだろう、つまり六郎のために一瀬の行方を探るつもりだったのだ。
東京に出た六郎は、叔父の四郎兵衛の家に居候をはじめるが、あるとき道場主の山岡鉄舟(北大路欣也)と知り合い、弟子入りすることを決める。実は、鉄舟は旧幕臣の大物であり、今は帝の侍従として宮内省に勤める人物。いまさら剣の修行をするという六郎に、四郎兵衛は仇討を忘れられないのではないかと訝るが、入門先が鉄舟の道場だと知り、安心する。
六郎は、他の弟子と交わることもせず、一心不乱に剣の稽古に励んでいた。そんなある日、なかから手紙が届く。一瀬が司法省の役人になったというのだ。手紙が届いて以来、どこか殺気立った六郎の姿を見ていた山岡は彼の決意を見抜くが…!?
最近のドラマは10分も見ると結末が読めたりするわけで
時代物などはそれの最たるものですが
昨夜の「遺恨あり」は見始めたらすっかりのめりこんで2時間半もなんのそのでした。
眠らずにこの長丁場を見られたのは久しぶりのような気がするわ~。
前半は父母を殺された六郎が復讐を果たすまで。
後半は時代が変わり裁判制度が適用された六郎に課される量刑のこと。
そして結末。
今なら両親を殺害されたことで情状酌量が認められ
無期から考えられるところですが
中江判事は計画的で残忍だから死罪という判決を即断していました。
そこを鉄舟が翻させ無期にしましたね。
武士の魂だったかが中江判事に影響を与えたということです。
時代がちょうど明治になったばかりで
まだ武士のスタイルを変えることに戸惑う人たちで溢れていますから
六郎は復讐を果たしたことで武士の鑑と祭りあげられました。
そんな大勢が六郎に味方したわけではありませんが
マゲをおとしたからといっていきなり西洋に染まることなどできない
武士としてのほこりや名誉が
街を闊歩していたわけですね。
仇討ち禁止令というものが発令されたのは
そんな時代の渦のなかです。
親の敵を打つことが自分の人生になってしまった六郎ですが、
一之瀬を殺害されても
復讐は何も生まないと静かに語れるその妻の姿に
柔軟な強さを感じることができます。
女性のしなやかさは松下さん演じる「なか」にもみられます。
愛人となることで情報や資金を提供できたわけですが
その頭のよさなどはすばらしいのひとこと。
未だ旧い時代の亡霊に取り付かれている男たちに
新しい風を吹かせてくれるのは
いつだってこういう女性たちなのです。
西洋の流儀はいやおうなく武士の魂を逆なでしたようですが
馴染むのも時間の問題。
やがて大日本帝国憲法が発令され
無期で収監されていた六郎はその恩赦により10年ででることができました。
父の敵を討った六郎ですが母の敵も必ずと考えていました。
しかし相手は過去の自分の罪にうなされ
六郎からの仇討ちを恐れて自殺。
確か一之瀬も過去の罪でうなされていたそうですから
罪を犯したら誰でも亡霊に悩まされると思ってよいでしょう。
母の恨みを果たすつもりが拍子抜けした六郎ですが
自分の人生を生きることに今度は悩みます。
復讐だけで生きてきた六郎には自分の人生とは何かということがわからない。
そして故郷に模索の旅に出て、
かつての自分の家に舞い戻っていくわけです。
誰もいないはずなのに庭が手入れされてあり、
導かれるように奥に進む六郎でした。
そしてそこで六郎を待っていたのはなかなのでした。
今度こそ、六郎はなかと一緒に自分の人生を取り戻せることでしょう。
六郎役の藤原竜也が一本気な武士道を熱演して良かったです。
さらに北大路さんが藤原さんに本気で殺人を教えている果し合いが白熱でした。
あの人の目付きは凄みがありますね。
個人的には戸田菜穂さんの出演がひさしぶりで嬉しかったです。
本当に面白かった。
その夜、秋月藩の執政・臼井亘理(豊原功補)の屋敷に、同藩の過激攘夷派の藩士の集団“干城隊”が侵入。 亘理の首をとり、その妻・清(濱田万葉)を惨殺したのだ。開国派のリーダーである亘理を気に食わない攘夷派の秋月藩国家老・吉田悟助(石橋蓮司)がそそのかしたのだった。
物音に気付いた亘理の息子・六郎は、父のもとに駆けつけるが、そこで目にしたものは両親の惨い遺体と、暗い部屋の隅にぼう然と座っている、幼い妹・つゆの姿だった…。
清の兄・四郎兵衛(相島一之)、亘理の弟・助太夫(田口浩正)は、すぐさま国家老の吉田に仇討を願い出る。だが、吉田は藩の法度で私闘は禁じられていると言い、この事件を闇に葬り去る。しかも、干城隊へのお咎めはなし。その一方で臼井家には50石の家禄減知という、あまりにも理不尽な処分が下され、11歳の六郎は父母の仇討ちを胸に誓った…。
明治5年。廃藩置県で武士は家禄を失い、士族という名の失業者になった。16歳になった六郎(藤原竜也)はなか(松下奈緒)と力を合わせ、下手人を調べ上げていた。父を殺したのは一瀬直久(小澤征悦)、母を殺したのは萩谷伝之進(岡田浩暉)であると…。だが、助太夫は早々に仇討をあきらめ、四郎兵衛も「仇討など忘れろ」と六郎を諭し、下級役人の職を得て東京に出て行った。
ひとり仇討への思いが捨てられず、黙々と剣の稽古を続ける六郎に、一瀬が東京へ行くという噂が届く。太政官の役人となるのだという。
仇討決行を決意した六郎は、父の形見の脇差を手に、早朝、藩境の峠道に身を潜めて一瀬を待つ。だが、一分の隙もない物腰の一瀬を見て、六郎は身動きすらできず、情けなさに身を震わせる。次第を聞いたなかも、また「うちも悔しかです…」と静かに涙を流すのだった。
明治6年2月7日、太政官は“仇討禁止令”を発布。これ以降の仇討は謀殺の罪として、死罪にされることになった。
明治9年、秋月で小学校の代用教員の職についていた六郎は、ついに東京に出る決意を固める。祖父・儀左衛門(平泉成)や助太夫には「勉学を重ねて官に職を得たい」と話すが、もちろん仇討の決意を秘めてのことだった。
「きっと、御本懐を遂げられますよう。お祈り申して上げております」。まるで武士の妻のように指をついて六郎を送り出したなかは、福岡県庁で給仕の職につくことを決めた。県庁ならば、上京した人間の消息も聞こえてくるだろう、つまり六郎のために一瀬の行方を探るつもりだったのだ。
東京に出た六郎は、叔父の四郎兵衛の家に居候をはじめるが、あるとき道場主の山岡鉄舟(北大路欣也)と知り合い、弟子入りすることを決める。実は、鉄舟は旧幕臣の大物であり、今は帝の侍従として宮内省に勤める人物。いまさら剣の修行をするという六郎に、四郎兵衛は仇討を忘れられないのではないかと訝るが、入門先が鉄舟の道場だと知り、安心する。
六郎は、他の弟子と交わることもせず、一心不乱に剣の稽古に励んでいた。そんなある日、なかから手紙が届く。一瀬が司法省の役人になったというのだ。手紙が届いて以来、どこか殺気立った六郎の姿を見ていた山岡は彼の決意を見抜くが…!?
最近のドラマは10分も見ると結末が読めたりするわけで
時代物などはそれの最たるものですが
昨夜の「遺恨あり」は見始めたらすっかりのめりこんで2時間半もなんのそのでした。
眠らずにこの長丁場を見られたのは久しぶりのような気がするわ~。
前半は父母を殺された六郎が復讐を果たすまで。
後半は時代が変わり裁判制度が適用された六郎に課される量刑のこと。
そして結末。
今なら両親を殺害されたことで情状酌量が認められ
無期から考えられるところですが
中江判事は計画的で残忍だから死罪という判決を即断していました。
そこを鉄舟が翻させ無期にしましたね。
武士の魂だったかが中江判事に影響を与えたということです。
時代がちょうど明治になったばかりで
まだ武士のスタイルを変えることに戸惑う人たちで溢れていますから
六郎は復讐を果たしたことで武士の鑑と祭りあげられました。
そんな大勢が六郎に味方したわけではありませんが
マゲをおとしたからといっていきなり西洋に染まることなどできない
武士としてのほこりや名誉が
街を闊歩していたわけですね。
仇討ち禁止令というものが発令されたのは
そんな時代の渦のなかです。
親の敵を打つことが自分の人生になってしまった六郎ですが、
一之瀬を殺害されても
復讐は何も生まないと静かに語れるその妻の姿に
柔軟な強さを感じることができます。
女性のしなやかさは松下さん演じる「なか」にもみられます。
愛人となることで情報や資金を提供できたわけですが
その頭のよさなどはすばらしいのひとこと。
未だ旧い時代の亡霊に取り付かれている男たちに
新しい風を吹かせてくれるのは
いつだってこういう女性たちなのです。
西洋の流儀はいやおうなく武士の魂を逆なでしたようですが
馴染むのも時間の問題。
やがて大日本帝国憲法が発令され
無期で収監されていた六郎はその恩赦により10年ででることができました。
父の敵を討った六郎ですが母の敵も必ずと考えていました。
しかし相手は過去の自分の罪にうなされ
六郎からの仇討ちを恐れて自殺。
確か一之瀬も過去の罪でうなされていたそうですから
罪を犯したら誰でも亡霊に悩まされると思ってよいでしょう。
母の恨みを果たすつもりが拍子抜けした六郎ですが
自分の人生を生きることに今度は悩みます。
復讐だけで生きてきた六郎には自分の人生とは何かということがわからない。
そして故郷に模索の旅に出て、
かつての自分の家に舞い戻っていくわけです。
誰もいないはずなのに庭が手入れされてあり、
導かれるように奥に進む六郎でした。
そしてそこで六郎を待っていたのはなかなのでした。
今度こそ、六郎はなかと一緒に自分の人生を取り戻せることでしょう。
六郎役の藤原竜也が一本気な武士道を熱演して良かったです。
さらに北大路さんが藤原さんに本気で殺人を教えている果し合いが白熱でした。
あの人の目付きは凄みがありますね。
個人的には戸田菜穂さんの出演がひさしぶりで嬉しかったです。
本当に面白かった。
02/27/2011 バーテンダー 第4話
あなたの魂を癒したいと思った時、バーの扉を開ければきっと・・・。
斬新かつ万人受けする特集の企画を出そうと息巻く美和(貫地谷しほり)に頼まれ、溜(相葉雅紀)は大人気のバーへ付き添い、プロの視点で評価することに。ところが、目当てのバーは定休日。2人はその店の地下にあった「バー・ノースウィンド」に入る。退廃的な空気を漂わせる北方(カンニング竹山)がバーテンダーを務めるその店は、客層も店内の雰囲気も品のある「ラパン」とは真逆。美和は中に入るのを躊躇するが、北方の姿を見た溜は進んでカウンターに座り、ブラッディ・メアリーを注文する。
そこへ、キャバクラ嬢の南原亜希(田中美保)が中年男性を連れて来店した。店の常連である亜希も溜と同じように、ブラッディ・メアリーをオーダー。ところがそのブラッディ・メアリーを飲んだ直後、亜希の連れが酔ってフラフラになる。すると、その一部始終を見ていた溜が突然「見損ないました、北方さん」と言い放った! 溜と北方がどんな関係なのか気になった美和は独自に調査。2人の関係性を知った美和は、溜の過去がさらに気になり、本人にフランスから突然帰国した理由を直撃する。ところがその瞬間、いつもと違う雰囲気を漂わせながら、グラスをドンと勢いよく置く溜。美和はますます気になり、北方のもとを訪れ、真相を聞き出そうとするが…。
一方、溜は偶然にも亜希と再会。彼女が連れの男性にわざと強いブラッディ・メアリーを飲ませ、早々に酔わせた理由を知る――。
竹山さんてば不良のようなだらしないオヤジのような
落ちぶれた雰囲気のくせに
なかなかの志がありましたねえ~。
すっかりやられました。
そこに気づいたのは相葉ちゃんの功績。
いや教えてくれたのは亜季ですが、知ろうとして動いた溜の心意気が
その真相を探り当てたというところでしょうか。
北方も本当は一流のバーを開きたかった。
けれど弟の事故で早急に治療費が必要になり
客層を選ばない安い店をオープンし、まずはお金を生み出すしかなかったという。
バーテンダーとしての腕は一流であり
ワケ有りのお客に出すカクテルは、その依頼者の裏事情をちゃんと嗅ぎ取っていたわけで
人間観察に長けた北方だからできたということですか。
店を閉じると決めた日に集まった人たちは
心から惜しみ、引きとめてくれました。
人生に疲れてやってくるお客の心をつかみきっていた北方一流の術だったのですねえ。
とにかくお店続行ということで良かった良かった。
何も気取った堅苦しい店だけが必要とされてるわけじゃないもの。
自分に合ったお店を探すのも楽しいものかもしれません。
でもお酒とタバコは切れないものではありましょうが
バーテンダーはタバコを吸っちゃいけないのでは・・?
やっぱ、配合や味のデリケートさを考えたら
舌が狂いそうでちょっと心配になりませんか?
今週、溜が津川さんに出したカクテルですが
あれ?と思ったのは氷で攪拌してたこと。
確か初回では、常温で作ったカクテルを差し出し
「うまい」という言葉を引き出したのにどうしたの?
案の定、「まずい!」でした。
でも、美味しいと言われたらそこでドラマが終わりになりそうだから、
やっぱ、挑戦者としては「まずい」のほうがいいのかな。
そして溜が美保さんに差し出したカクテルはアルコールなしの一杯。
一見、ミックスジュースのようでありながら
空気を含ませたそれは極上の一杯となったそうです。
見ていて本当に美味しそうで
アルコールがダメな方でもきっとその美味しさに心を奪われ、
弱ってしまった魂も生きる力を取り戻すのかもしれません。
そういえば、美保さんは北方も同じ一杯を作ってくれたと言ってましたね。
だから溜は北方の店に隠された事情を感じたのですね。
毎週、こんなステキなバーを見ていたら
本当に行きたくなり困ってしまいます。
何しろアタシの所在地は場所的にも一流といわれるお店がひしめいてるらしいわけで
これは一度人生勉強としても行かねばなるまいと思うのです。
というわけで、きっといくぞ~!
一人でナカマイヤーみたいに雰囲気ありげにカウンターに座るのもいいねえ・・うっとり・・
それともやっぱここは秘密が匂うカップルってことも有り得るわね。
そんなシチュエーション想像するだけで、楽しいったら~
ただ、すぐそこに行くのにわざわざドレスアップして行くってのは
ある意味、気持ちを高揚させる何かが必要でしょ?
北方のお店のように気取らずぶらっと入れて
その日の気分を読み取ってくれるようなお店もやっぱり重宝しそう。
多少退廃がかっていてもかまいませんのよ。
どっちもいいなあ~。
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