05/26/2013 「舟を編む」「藁の盾」
今日の映画はキャンセルになり、のんびりくつろいでます~。いい休みだわ~!
映画は某系のアレを見るつもりでしたが、また今度ってことで。
で、ちょっと前に見たタイトルにあります映画2作の簡単感想をば。
両方ともに面白かったですが面白さと評価はちょっと違うというかね。
まずこちらから。
「舟を編む」
二つ並べての感想ですけど
私的には
舟>藁 かな~。
映画実況としての引きつけ度は藁の方が優勢かもしれないですが
見た後の印象の良さは間違いなく舟ですね。
「舟を編む」は実にいい映画でした。
「大渡海」という辞書を作るというのがこの映画の主題です。
辞書を作る作業がこんなに地味で大変だとは知らずいました。
なんとなくそれまでの辞書にあるものをそのまま踏襲すればいいような気がしてましたが
改めて確認作業をするのも、新しい言葉を入れるのも
日常的に新鮮なおどろきを持っていないとできないことなんですね。
「右」を表現するとき、どう説明するかというのがありましたが
箸を持つ手なんて左利きには使えません。
そもそも「右」の名を与えた時点での説明をしないといけません。
馬締(松田龍平)は方角を使いましたね。
北を向いたときに東に当たる方が「右」。
言葉に敏感な人は、感性の鋭さ、一種のセンスがあるようです。
それを日々実践するうちに磨かれていくというのもあるでしょうか。
まず自分の言葉で説明するということが大事なんですね。
ちなみに後に某出版社の辞書では
本書を開いたときに偶数ページが「右」という説明でした。
真似ではない独自の説明ができるかどうかが辞書作りの出来を左右するようです。
他にどんな説明ができますか?
横書きのとき流れていく方(末尾)が「右」と言ったら10点と言われました^^;
逆の場合ってあるかしら?とも思うのですが可能性があったらダメですね。
ここで「用例採集」という面白い単語が発せられます。
単語を拾い、それについての説明をすること。
いつもこの用例採集のための用紙を持ち歩きどこでも書きつけられるようにするわけです。
どんな単語でも説明してみるという作業は気の遠くなるようなモノがあります。
そして恋がありました。
馬締は香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし、
彼女の「用例採集」をするのでした。
なんて楽しい始まりでしょうか。
この辞書は15年もかけて作られますが、その間に、編集長(加藤剛)が亡くなったり
一度退職した人(小林薫)が戻ってきたりと人生のいろいろなことがあります。
もちろん、馬締の恋も成就し、二人の生活も見えます。
だけど、そういった人生のイベントに関するスポットライトはさほど光りません。
そのような感情的なものは一切抑えたつくりとなっているのがまたいいのです。
ゆっくりと吟味した味わいの良さがまさに船をこぐように流れていくのでした。
大渡海は完成し、披露パーティの隅に編集長の写真が小さく置かれてあり
感慨深いものがかけぬけました。
オダジョーなどは軽薄そうな一面でいて、実は本当にいいやつでした。
そういえば彼が「恋」の用例採集をしたのでした。
何と説明したかは忘れたのでぜひ映画(DVD)で再現しましょう(^^;
そして部員その3ぐらいに地味な伊佐山さんなんかは脇でいぶし銀のように存在感を放つのでした。
終始一貫、馬締の抑えたキャラが逆に秘めたおかしみを誘発し、
映画の持つ性格をしっかりと体現していました。
広い海原を渡る舟という題目の通り、たった一つの言葉を海原から探し求め
たどり着いたような安心感。
辞書があってよかったですね。
秀作です。
「藁の盾」
こちらは数字の取れる人気俳優(大沢たかお、松嶋菜々子)を起用したので話題作なのはもちろん
ハラハラドキドキ度でも引っ張り度はばっちりでした。
だけど、俳優にはさほど興味がない人(アタシ)にはストーリーだけが楽しみなわけで
これがちょっと難なのでした。
こちらはSPの話です。
ここでドラマの「SP」を連想させるのですが、ストーリーを見ているうちに
まるで先だっての岡田准一主演の映画「SP」を思い出し、
まさに、同じモチーフだったのでなんだかな~と残念になってしまいました。
警護にあたるSP銘苅(大沢)と白岩(松嶋)は、
少女惨殺殺人犯清丸を九州から東京へとの移送する際の警護をするというストーリー。
変化球として、少女の祖父が清丸暗殺に10億の謝礼をつけたので
次々と刺客が現われるというハラハラがあるわけです。
岡田君の「SP」も警護をするに値しない政治家を体を張って守り、
自宅から永田町まで移送するのでしたが、同じように次々と反思想派の襲撃に遭い、
途中から徒歩で守ったり、負傷したりと似たような作りです。
また裏取引で上層部が転んでいるのも同じでしたし、
移送の途中で負傷(死)するのが女性なのも同じ。
誰がどうしてどのようにというあれこれの部分に多少違いがあっても
まるっきり同じ主題、起承転結が用意されてるので、この手の映画としては二番煎じに見えました。
SPは岡田君の超能力があるというのがポイントですが
こちらの藁は懸賞金に目がくらむ人たち(含、一般刺客や、警視庁の上層部内部)の
醜悪さなどをどこかで皮肉るという主題のようです。
藁は最終的に、祖父の懸賞金をっひっこめさせていましたが、
法治国家としてこれは必要なラストですね。
さもなければ金次第で犯罪も操作できるということになるので
ある意味無法国家に成り下がる危険がありますから。
大沢さんがかっこいいのと松嶋さんが母の顔をするのがなかなか良かったです。
一方くず(清丸)を演じた藤原さんの狂気などはもううまくて・・。
だけど、いい感じの藤原さんしか知らないので
悪さをしても、あまり悪く見えてこないのが困ったところでした^^;
次々と刺客が現われてドキドキさせられるので映画はあっという間に2時間たちます。
その後に残るものは・・と言う点がまあ・・人によって違うのでしょう。
で、ちょっと前に見たタイトルにあります映画2作の簡単感想をば。
両方ともに面白かったですが面白さと評価はちょっと違うというかね。
まずこちらから。
「舟を編む」
二つ並べての感想ですけど
私的には
舟>藁 かな~。
映画実況としての引きつけ度は藁の方が優勢かもしれないですが
見た後の印象の良さは間違いなく舟ですね。
「舟を編む」は実にいい映画でした。
「大渡海」という辞書を作るというのがこの映画の主題です。
辞書を作る作業がこんなに地味で大変だとは知らずいました。
なんとなくそれまでの辞書にあるものをそのまま踏襲すればいいような気がしてましたが
改めて確認作業をするのも、新しい言葉を入れるのも
日常的に新鮮なおどろきを持っていないとできないことなんですね。
「右」を表現するとき、どう説明するかというのがありましたが
箸を持つ手なんて左利きには使えません。
そもそも「右」の名を与えた時点での説明をしないといけません。
馬締(松田龍平)は方角を使いましたね。
北を向いたときに東に当たる方が「右」。
言葉に敏感な人は、感性の鋭さ、一種のセンスがあるようです。
それを日々実践するうちに磨かれていくというのもあるでしょうか。
まず自分の言葉で説明するということが大事なんですね。
ちなみに後に某出版社の辞書では
本書を開いたときに偶数ページが「右」という説明でした。
真似ではない独自の説明ができるかどうかが辞書作りの出来を左右するようです。
他にどんな説明ができますか?
横書きのとき流れていく方(末尾)が「右」と言ったら10点と言われました^^;
逆の場合ってあるかしら?とも思うのですが可能性があったらダメですね。
ここで「用例採集」という面白い単語が発せられます。
単語を拾い、それについての説明をすること。
いつもこの用例採集のための用紙を持ち歩きどこでも書きつけられるようにするわけです。
どんな単語でも説明してみるという作業は気の遠くなるようなモノがあります。
そして恋がありました。
馬締は香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし、
彼女の「用例採集」をするのでした。
なんて楽しい始まりでしょうか。
この辞書は15年もかけて作られますが、その間に、編集長(加藤剛)が亡くなったり
一度退職した人(小林薫)が戻ってきたりと人生のいろいろなことがあります。
もちろん、馬締の恋も成就し、二人の生活も見えます。
だけど、そういった人生のイベントに関するスポットライトはさほど光りません。
そのような感情的なものは一切抑えたつくりとなっているのがまたいいのです。
ゆっくりと吟味した味わいの良さがまさに船をこぐように流れていくのでした。
大渡海は完成し、披露パーティの隅に編集長の写真が小さく置かれてあり
感慨深いものがかけぬけました。
オダジョーなどは軽薄そうな一面でいて、実は本当にいいやつでした。
そういえば彼が「恋」の用例採集をしたのでした。
何と説明したかは忘れたのでぜひ映画(DVD)で再現しましょう(^^;
そして部員その3ぐらいに地味な伊佐山さんなんかは脇でいぶし銀のように存在感を放つのでした。
終始一貫、馬締の抑えたキャラが逆に秘めたおかしみを誘発し、
映画の持つ性格をしっかりと体現していました。
広い海原を渡る舟という題目の通り、たった一つの言葉を海原から探し求め
たどり着いたような安心感。
辞書があってよかったですね。
秀作です。
「藁の盾」
こちらは数字の取れる人気俳優(大沢たかお、松嶋菜々子)を起用したので話題作なのはもちろん
ハラハラドキドキ度でも引っ張り度はばっちりでした。
だけど、俳優にはさほど興味がない人(アタシ)にはストーリーだけが楽しみなわけで
これがちょっと難なのでした。
こちらはSPの話です。
ここでドラマの「SP」を連想させるのですが、ストーリーを見ているうちに
まるで先だっての岡田准一主演の映画「SP」を思い出し、
まさに、同じモチーフだったのでなんだかな~と残念になってしまいました。
警護にあたるSP銘苅(大沢)と白岩(松嶋)は、
少女惨殺殺人犯清丸を九州から東京へとの移送する際の警護をするというストーリー。
変化球として、少女の祖父が清丸暗殺に10億の謝礼をつけたので
次々と刺客が現われるというハラハラがあるわけです。
岡田君の「SP」も警護をするに値しない政治家を体を張って守り、
自宅から永田町まで移送するのでしたが、同じように次々と反思想派の襲撃に遭い、
途中から徒歩で守ったり、負傷したりと似たような作りです。
また裏取引で上層部が転んでいるのも同じでしたし、
移送の途中で負傷(死)するのが女性なのも同じ。
誰がどうしてどのようにというあれこれの部分に多少違いがあっても
まるっきり同じ主題、起承転結が用意されてるので、この手の映画としては二番煎じに見えました。
SPは岡田君の超能力があるというのがポイントですが
こちらの藁は懸賞金に目がくらむ人たち(含、一般刺客や、警視庁の上層部内部)の
醜悪さなどをどこかで皮肉るという主題のようです。
藁は最終的に、祖父の懸賞金をっひっこめさせていましたが、
法治国家としてこれは必要なラストですね。
さもなければ金次第で犯罪も操作できるということになるので
ある意味無法国家に成り下がる危険がありますから。
大沢さんがかっこいいのと松嶋さんが母の顔をするのがなかなか良かったです。
一方くず(清丸)を演じた藤原さんの狂気などはもううまくて・・。
だけど、いい感じの藤原さんしか知らないので
悪さをしても、あまり悪く見えてこないのが困ったところでした^^;
次々と刺客が現われてドキドキさせられるので映画はあっという間に2時間たちます。
その後に残るものは・・と言う点がまあ・・人によって違うのでしょう。
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