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山崎作品、オールスターズご出演でしたね^^
あ、でも渡辺謙はお初かもしれないです。

ただ途中から白い巨塔かと錯覚しそうになったのはナイショ。

渡辺謙さんですが初日舞台挨拶で涙にくれていましたが撮影が大変だったのですね。

この人が主役でよかったです。

本当に見ごたえがありました。


映画に関してはあの御巣鷹山の日航機墜落事故が予告映像で何度も流れていたので

私はその事故がストーリーの全てだと思い込んでいたのです。

だけど違いましたね。全然違いました。

かわいそう過ぎてとても見に行けそうになかったところを

引っ張ってくれた友人に感謝です。


日航についてはちょっと前にテレビ東京のガイアの夜明けでJAL危機(←クリック)という番組レポをしています。

あの時、さらっと流れていった内容の一つひとつが今更のように

掘り下げた形となって甦ってきました。

あの時はシンプルな流れでしたが、映画で肉付けされ私の中で消化されました。


ストーリーの軸は確かに墜落事故が柱ですが

日航の会社に横たわる暗闇が事故に繋がったという確信をもって

その醜さを暴いてくれたようにも思います。


さらっとストーリーです。

恩地元@渡辺謙は労働組合委員長として経営陣と激しく交渉しますが

首相便のスト決行という強い姿勢も崩さない構えでした。

結果として期末手当要求を勝ち取るのですが、

経営陣はうるさい恩地を僻地勤務として海外に追い払ってしまいます。

通常海外は2年で日本に戻されるのだそうですが、どういうわけかテヘランとかカラチとか

ケニアでしたっけ?一度聞いてもよく知らないところに都合9年も点々とさせられています。

もちろん家族も大変で、そのたびに父親に不満をもらしますが

それでも間違ったことはしていないという青い信念の父親像が子供心にも理解されていきました。

成長した二人は父親とは関係のないところに就職しようと取り決めしたそうです。

しかしいつまでも執拗にイジメをするのが日航の体質なのでした。


そしてもう一人の影の主役である行天四郎@三浦友和も熱演でした。

こちらは同じ労働組合の副委員長という立場で、少なくとも恩地には信頼されていたのです。

でも恩地が海外へと出されたあとに

労働組合を御用組合に変えてしまいました。

その手腕でもって出世街道をのし上がっていきます。

最終的には常務まで上り詰めていたのでしたが裏の工作がいかに重要かがよくわかるエピです。

恩地を慕う組合の委員に命じて金策をしていましたが

その八木@香川照之はそのたびに記録を克明に残していました。

最終的に東尋坊から飛び降りたわけですが

東京地検にその日記を送りつけたあとの決断です。


そして日航機事故が起こります。

遺族係をする恩地と指示を出す行天。

かつての同期の二人はいまやかなりの差が開いています。

しかし、自分に正直に生きる清々しい恩地と

追われるように出世を目指す行天のどちらが人間らしいでしょうか。


やがて経営危機のために国見@石坂が会長として就任しますが

国見は恩地を買って、自分の元におきました。

この国見改革はクリーンで、効果も大きかったのですが

首相が副首相の横槍で腰が引けてしまい辞任を促すことになりました。

恐らくすべて実話です。


経理の不正の発覚で恩地は国見に調査を命じられていましが

ホテル買収にある不正なカラクリを見つけたり、

先物取引の実態を暴いたりとけっこうな額の不正が明るみに出ています。


国見の辞任の時に動議決議として常務解雇にしたのはとても小気味よかったですね。

そして八木の一刺しで行天も東京地検に事情聴取となりました。


不穏な空気は一掃したように見えても日航は日航。

国見会長が去ってしまうと

再び恩地をケニアに追い出してしまうのでした。


しかし広大な大地を前に太陽が沈まないとつぶやく恩地。

かつては日本が恋しかったが

この大地を見ていて心が平穏になるという恩地なのでした。


***

この映画は3時間半ぐらいですが途中で10分の休憩がありそれがとっても助かりました。

なんというか、前半2時間が盛りだくさんで脳みそがくたびれていたんですね。

そこに休憩でコーヒータイムができたのは良かったですよ(笑


途中で戦争処理のために満州に渡り、11年間シベリアに抑留されたという人が出てきますが

これは不毛地帯の壹岐正(@唐沢寿明)ですよね。

ここに唐沢寿明が出てきたら最高に受けたのに・・

ドラマの撮影が厳しくてこちらには出演できなかったのね。

てか、白い巨塔もこの人が主役でしたもんでやっぱりどこかにちょこっと出てきて欲しかったですね^^;



航空機事故に関しても遺族の親身になる恩地でしたが

補償交渉をする人の話もあってそれがまたものすごい現実でした。

年収×残存年数に何とか係数をかけていくらになるという計算。

あれはもう遺族を逆なでしますね。

最低でも億だろうと叫ぶ奥さんがいましたが

本当にその通りで年収など関係なく一律1億ぐらいにして

それ以上の人にはそれなりの計算にすればいいのでは?



さらに、その後、ホテルやら先物で大層な金額が動いていたことが発覚しますから

つまるところは

修理をケチってボロになった飛行機に500人も乗せたための事故と糾弾していました。

全くその通り。

事故は飛行機が起こしたとはいえ、日航の体質が起こしたものであり紛れもありません。


沈まぬ太陽のタイトルがあのアフリカの大地にあったということが

わかって納得したのが感想でした。




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