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鎌倉シャツのことはいつの間にか知ってましたわ~。
シャツといったらシャツ大好きな友人がいますもんでいろいろ聞かされますが

まあとにかく語る人にはそれぞれ独自の思想がありますね(笑

こういうスーツインのシャツにはほとんど縁がない私の人生ですが

男性はやはり毎日袖を通すものですからこだわりがあるというのか。


メーカーズシャツ鎌倉の会長、貞末良雄さんが登場しました。

越智康行さんがモデルで出ていますが、この鎌倉シャツにこだわりほれ込み

買い続け100枚以上持っているとのこと。

街を歩いている人にフラっと声をかけても5枚ぐらいもってるとか

素材や衿がいいとかさらりと惚れた部分が口をついてでてくるのでした。

丸ビルに入っている鎌倉シャツは店内はさほど広くなくて15坪だそうですが

坪単価売り上げは№1だそうです。

女性のシャツもありました。

丸の内店は年商3億というからすごいです。

品質の高いものが5000円で買えるというのがこのシャツのファンを広げました。


その実力。

縫製工場は福島の白河にありました。

縫製歴20年以上の熟練者が担当。

パターン上できついカーブと言っていますが

体に沿わせたカッティングなので、立体的なのでした。

そでぐりの下が盛り上がるという言い方でしたけどアームホールを下げずに

体に近いラインをつけると袖との重なり部分がマチとなるわけですから確かに盛り上がります。

またそのおかげで手をあげても裾がズボンから飛び出したりしません。

また縫製の縫い代処理ですがロックミシンではなく巻きふせ縫いをしていました。

そして釦はホンモノの貝釦。高瀬釦と言っていますが高価ですし有名です。


鎌倉シャツの年商は17億円。

創業は鎌倉に店をだしたということでそのネーミング。

本店には会長が作ったカレーを食べに来る人も多いとか。

一皿700円では採算が取れないといいながらもこだわりのカレーを作っています。


会場の貞末会長ですが、着心地のよさは着て見ないとわからないので

とにかく着てみてくださいといっています。

53歳で独立し会社を興したけれど、いいシャツは高い。

15000円ぐらいのものを5000円で売ったらどうかと思ったそうです。

最終的に企業が生き残れる最低の利益を残しながら

お客が買ってもいいという値段を提供する。

クオリティーとセンスと値段をバランスさせるという表現をしていました。


鎌倉シャツは毎週新商品が店に並びますが、一つのサイズにつき1、2枚のみの仕入れだそうで

仕入れた先から売れるために1ヶ月もすると商品は入れ替わるそうです。

多品種少量仕入れ高回転。

企画から店頭に並ぶまでに3~4週間と言っていました。

年中需要が同じ割合で発生し、季節商品の垣根がないシャツだからできたともいえます。

だから工場でも年間通じて安定した発注をしてくれる鎌倉シャツを

VIP扱いで受けているとのことです。

会長は新疆綿という生地を仕入れに上海に行っていました。

次の戦略が頭に入ったようです。


最近の激安の傾向を問われていますが

それは今の「流行」であり、知恵のないことを繰り返してその会社が存続するとは思えない。

値段で勝負は最終手段だと言いました。


貞末会長は1966年にVANに入社。

アイビーを広めた石津謙介の下で仕事を学んだ会長でした。

町の洋品店が次々とVANに変わっていったほどの浸透ぶりでしたが1978年に倒産しています。

その後、メーカーを転々とした貞末会長。

15年後のある日に石津と再会したが今のメーカーには思想がなさ過ぎるといわれた。

3000人もいるVANの卒業生は何をやってるんだ。

その言葉に発奮して鎌倉シャツを創業したのでした。



VAN倒産の原因は何だったのかと栄子さんが聞いていました。

大量に物を作り始めた。

それを外部の商社にお願いしたことで思いがこもらなくなっていった

そして安易に売れてしまったことで未来永劫に続くと勘違いしてしまった。

大量の在庫を抱えて500億の負債で倒産。


貞末会長の起業3条件。

・自分が欲しいもの

・市場にあるが高価なもの

・売れ続けるもの。

当たり前のことだと言っています。

企業にロイヤリティを感じ、尊敬することができる

その企業の信念を買っているのがお客だというポリシーでした。


最後に就活学生へのアドバイスです。

服というのはどう着てどう見せたいだけじゃなくて

どう見られるかということが重要。

自己主張するときはバランスのとれた自己主張をするといい。


***


世間に迎合せず、売り方も画一的に台紙を使用しないとか

バーゲンはしない主義とか、

芯の通った売り方で企業の格を高めたと思います。


VANの会議で、180億の目標だったのが、結果として300億になってるのは良くないと

指摘するくらい先見の明があったのに

それでも飽和状態になるまで市場に物を出し続けて倒産させたのは残念でした。

でもVANの精神を受け継いだSHIPSなどのメーカーが

今頑張ってると話しておられたのが印象的です。


15000円のシャツが5000円で買えるなら本当に飛びつきますよね。

でも15000円のシャツがどういうものかわからない人であれば

5000円でも高いと思うでしょう。

着てみればわかるといいますが一度着て袖を通した人はファンになるようです。

そしてその価値のわかる人がたくさんいたことで

鎌倉シャツは繁栄しています。

ずっとずっといいシャツを作り続けて欲しいと思います。


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