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神のグラスとは救いたい人をグラスで救うことができたときに得られる称号のようです。
泰三(津川雅彦)の葬儀が終わった。長年の夢だった「ホテルカーディナル」メインバーの完成を見ぬまま他界した泰三。美和(貫地谷しほり)は祖父の願いを叶えてあげたかった、と悔やむ。そんななか、美和は泰三からの遺言書を受け取る。なんと泰三は自分が所有していた「カーディナル」の莫大な株を美和に譲る、と記していた。それは美和が筆頭株主になり、「カーディナル」に役員待遇で入ることを意味する…。決断を迫られた美和は、大いに頭を悩ませる。

 そんな美和の様子を見た溜(相葉雅紀)は、「カーディナル」メインバーのチーフバーテンダーを目指すことを決意。一席しかないその座を狙い、葛原(金子ノブアキ)と対峙する。やがて、人選を任された溜の元師匠・加瀬(竹中直人)がBAR「ラパン」で2人を審査し、決断を下す日がやってきた! その日は美和が泰三の遺言を受け入れるかどうかの答えを出さなければいけない日でもあった――。




来島の愛した店がラパンだから、ラパンが勝負の舞台。

そして来島の気持ちを全て理解している美和が審査員となる。

あまりにも溜に有利な展開なだけに、

ドラマである以上これは葛原が勝つだろうと

内容を見る前に勝負がわかってしまった対決でした。



今週のゲストは錦戸亮ちゃん。

きりっとスーツで登場ですが次回作の宣伝もかねていたようですね。

自分が嫌いという亮ちゃんに

別の自分になれるチャンスと微笑む相葉ちゃん。

先輩後輩の絆で次へとバトンタッチした瞬間でした。

大きいドラマはなかったけれど亮ちゃんの笑顔が嬉しかったですね。



さて、ファーストゲストに出す1杯という命題です。

たった1杯で決めるというのも本当に怖いですが

でも例えば運転免許だって座った瞬間の不注意で不合格にるし、

ピアノの試験だって最初の1音の出し方の失敗で退場になるわけで、

厳しさといったらどんな試験も同じなわけですね。

1杯に込められる試験の要素はそれまでの人生全てが賭けられているわけです。


そして溜はアメリカンビューティ(薔薇の品種名)をホテルの象徴に選びました。

キレイな赤のグラスが出来ましたが上に浮かべるポートワインがまた難しい技量のようです。

白い薔薇を添えて美しいカクテルができました。

ファーストゲストにふさわしい薔薇のかぐわしさが漂います。


相葉ちゃんがカクテルをグラスに注いだあとに手首をきっちり捻るあの独特のスタイルが美しい。

スーッと差し出されたグラスはその瞬間に極上の空気をまとうようです。

だいぶバーテンダーの技術のあり方に目が慣れてきました。


さて、美和ですが両親がいなかったのですね。

おじいちゃん=来島だけが身寄りだったようで美和はホテルの筆頭株主となってしまいます。

右も左もわからないホテルの世界に入ることの戸惑い。

何よりもおじいちゃんを失った美和は悲しみから立ち直れていません。

溜は美和の気持ちに寄り添いながらも自分にできることを模索しています。


来島の墓に参った溜の前に現れたのは加瀬。

「行き場のない魂を救う最後の一杯こそが神のグラス」だとかつて説いた加瀬ですが

未だ迷いのなかにある溜なわけです。

目の前の絶望している誰かを救いたいと思うこと。

その心こそ真のバーテンダーだと再び教授した加瀬でした。


そして対決の日。

加瀬が審査員を美和にと提案するのでした。


その瞬間に溜は勝負を捨てて目の前の美和の魂を救うことを一番に考えたようです。

アメリカンビューティではない何かを用意し始めました。


葛原は奇跡を起こすカクテルを提案

シンガポールスリング。

ラッフルズホテル発の有名なカクテルでカーディナルの完璧な一杯を捧げるということです。

トップオブカーディナル。

見事にオーソドックスにしてスタンダードな葛原らしい提案でした。

美和も絶妙な味を完璧と評しています。


一方、溜はxyzというカクテルで、

終わりではなく気持ちを切り替え次の新しいスタートだと提案します。

「深い悲しみにくれる人にかけてあげられる言葉はありません。

本当の悲しみの前で同情の言葉は余りにも無力です。

でもグラスは語ります。

あなたの苦しみは知っている

あなたの孤独はわかっている

あなたは決して一人じゃないと。

積み重ねてきた思い出を胸にあなたは必ず前を向ける。

その始まりのグラスxyzです。


加瀬も葛原も静かに聴いています。

美和は口にふくみ「おじいちゃん」とつぶやきました。

美和の脳裏にはおじいちゃんの思い出が回っていました。

そして涙を拭って判定をしたのです。

カーディナルのチーフバーテンダーの審査という視点から葛原を選んだ美和でした。


道に迷っているカーディナルを救えるのは葛原のグラスだと言えた美和も立派でした。

溜はそんな美和を褒めてあげます。

会長も天国から同じことを言ってくれたはずだと。

しかしそれは溜が描いたシナリオだったようです。

それを感じたように

自分を励ましてくれた一杯により一歩踏み出すことができたと美和は語ります。

あのカクテルは「神のグラス」なの!


加瀬は来島からの手紙を開封しますがそれはバーのバーテンダーのことではなくて

ふたりの成長を導くように要請していました。



一ヶ月後


美和はホテルの新人として走り回っていました。



溜は自分のバー「イーデンホール」の開店。

葛原から花のプレゼントがありました。



***


神のグラスとチーフバーテンダーの座はそれぞれに勝負を分け合ったように終わりました。

その采配のしかたは引き分けということですね。


魂を救う一杯はその背景を知らないと作れないですが

それはホテルのバーと個人経営のバーとでは

スタイルが違うということでしょうか。

溜は美和の魂を救うことで

ホテルのバーよりも自分のバーの方が

魂により近くなれると感じたのかもしれません。


それにしてもたった一ヶ月でお店を開業しちゃうのもすごいです。

そういえば溜は資産家の家柄でしたよね・・?




最終回は時勢に合ったセリフがあり

震災で家や家族を失った方々に届いて欲しいと願いが込められていたようにも感じます。

美和に語りかける相葉ちゃんですが

そのまま東北の皆さんへと魂の言葉に感じて涙、涙でした。

終わりは始まり。

きっときっと前を向いて歩き出してと願いをこめて。


2ヶ月間、オシャレなカクテルと美味しい時間を味わえて幸せでした。


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