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近頃キーワードは「ふたり」のようで・・。
===== 今、「二人」が熱い! =====

な~んてコピーだったら臭すぎて笑っちゃいますが

偶然「ふたり」がタイトルについた映画を立て続けに見たのですけど

どちらもほどほどに面白かったです。

酷い夏がすぎ、ようやくのんびり見てきましたもんで

難しいことは考えずシンプルに

面白いか、否か、でいいですよね。

映画に限らずテレビだって、そう、人生も。




そういうことで、 「夢売るふたり」

東京の片隅で小料理屋を営む貫也(阿部サダヲ)と妻の里子(松たか子)。店は小さいながらも順風満帆だったが、火事で全てを失ってしまう。

ある日、貫也が常連客と一夜を共にし、すぐに里子の知るところとなるが、里子は結婚詐欺で金をだまし取ることを考案する。

結婚願望の強いOLなど寂しい女たちの心の隙につけ込んで、店を再開するための資金を稼ぐ二人。しかし、夫婦の関係に影が差し始め……。(シネマトゥディ)



う~ん・・70点ですね(笑

ちょっとした資格試験だったらぎりぎり合格。

この二人がなんで夫婦なんだろうって思いません?

物語なんだから意外性を求めたって事でバランスの危うい二人にしたんでしょうか。

火事で丸焼けになり、次の店を出すために詐欺を始めるというのがこのストーリーの原点です。

そこで、私なんかは「保険」はどうなったの?て思うのですけど一個もその話は出なかったですね。

未加入だからでしょうが、あれは全部保険会社でカバーしてくれるのではないですか?

きっかけは貫也が、社長が亡くなったためにそのさびしい愛人さんと

夜を過ごして、差し出されたお金を受け取ってきてしまったこと。

その時は詐欺をするという気持ちはなかったし寂しさに同情してのふるまいだったようですが

それによって、夫婦二人の気持ちに火がつき、加速していきました。

里子が品定めをして犠牲になる女性を選定し、貫也が女性をだましていくんですね。

失礼ながら特上のイケメンではないのに、その優しさとか普通の良さが

どの女性をも虜にしてしまうのでした。

世の中にこれだけさびしくてお金を持ってる人がいるんだってびっくり。

また、松さんがそういう女性を見つけてくる鼻が利くのがすごいというかね。

ラストになって木村多江さんが登場したあたりから、里子の嫉妬があり、

ちょっとずつ二人の狙いの部分に狂いが生じてきます。

この映画を見ながら、最後はどういう落ちになるんだろ?ってそればかり考えてましたが

そのくらい詐欺の手管は興味深くて面白かったです。

で、ラストはやっぱり手が後ろに回るのですが、でも、そのきっかけは

子供のうっかりの事故をかぶってなのですよね。

夢を見れたからいいんじゃない?って言ってあげたいような人も出演してたし(失礼!)

あなたはこういう人に引っかかるようなタイプじゃないでしょっていう方だってご出演。

一番、おいしい役というかね、もうけちゃったっていうお方は鶴瓶さんかな~(笑



そんで「最強の二人」ですね。

事故により全身麻痺になってしまった大富豪フィリップ

新たな介護者として不採用通知目当てで来た

スラム出身の黒人青年ドリスを採用することにして



このフランス映画は盛り上がりも、いやらしい感動の押し売りも、お涙ちょうだいも

何にもなくて心底、淡々と、いい流れで進みました。


一説では、「涙と笑いのハートウォーミング」などとコピーが見られますが

私はどこにも笑うシーンがなかったですし、泣きもしませんでしたし、

心があったまるような感動も特にありませんでした。

その自然なごく普通の空気が好きでしたね。


日本の場合、障害のある人を扱うドラマって、身体のどこかが不自由になったりすると

そこら辺を強調して、必ず、不具合とか周りの目の意地悪さや同情なんかをだして

本人の挫折も見せて、あと、それを克服する感動なシーンをつくりあげ、

視聴者を泣かせないといけないみたいな

気持ちの悪いストーリーばかりじゃないですか。

そういう見え見えの吐きそうないやらしさがないのが、とにかくよかった!

というのが一番の感想です。



この主役の一人である大富豪、フィリップがパラグライダーで事故にあい

首から下が動かなくなるのですね。

この不自由な身体の状態になった場合の介護については想像もつかないことなんですが、

この方は大富豪だから自分の好みに合う人を雇うことができるんですね。

日本の庶民の場合だったら、どんな介護がうけられるのでしょうか?

単純には病院かそれなりの施設に入院して、看護師や介護士のお世話を受けることになるわけですが

費用とかは公的な介護ならば1割負担ということでいいのでしょうか?

その1割というのはいったいいくらになるんでしょうね?

とにかく、介護の人と相性が合うとかそんな贅沢は言ってられないでしょうし、

お世話してもらうことを、身を固くして受け入れるだけになるでしょうね。


で、フィリップが選んだのは自分を障害者として特別な目で見ないドリスだったのでした。

もちろん、ドリスはそれを計算したわけじゃなくて、本人は就活していることの証明で

失業保険をもらうためにサインがもらえればそれでよかったわけですからね。


このドリスの勝利の点は体格が良くて力があったこと。

何はなくてもこれがあれば、たいていのことは切り抜けられそうです。

動けない不自由さによる不便は一緒に暮らしていればおいおいとわかりますから、

それなりに対処もできるというものです。

フィリップがほしいのは前職や経験や学歴じゃなくて

今を一緒に生きて、普通に過ごしてくれる人だったようです。

だいたい、ほかの人は「かわいそうに」といった腫物に触るような雰囲気が見られるので

確かにそれはうんざりかもしれないですね。


そして幻想痛とか、過呼吸みたいな辛そうな症状がでるのですが

ドリスは「空気を吸いに行く」というところで

フィリップを外に連れ出したりタバコを吸わしてみたりするのが

面白かったですね。

思いもしないことをするのがドリスの当たり前の世界なのですねえ。


そういった二人ですが、もちろん、お互いを尊重して認めあってるのがわかります。

絆というのはどうやってできるのでしょう?

「今日から友達になりましょう」なんて言ったところで

合わない人はどんなに頑張っても合わないですもんね。

結局、それは「相性」というただそれだけのようなものかなとも思います。


そういう意味では、二人の出会いは面白いですし運命が引き寄せたのでしょうか。


脳天気でお気楽そうに見えて実はドリスには家庭の複雑な事情がありましたし、

フィリップだって、自分の人生に遠慮があったからこそ、一度は文通相手との対面から逃げています。

軽くて笑って表面的にはきついジョークだって言ってましたけど

けれど、底にあるものをお互いにすくいとっていたのが見事な絆でした。


ラストシーンは実にさわやかでしたね。

うっかりすると泣かされるシーンですが、それだってさらりとしていて

うん、ほどほどに良かった。


そうそう、今も二人の絆は続いているとリアルの二人が映像にでていたのが

なんかね、嬉しいような気持になりました。


この映画、満席情報が相次いだので座れるのかな?と家を出るとき、

(開演30分前ぐらい)にチェックしてから出ていったのね。

その時は8割ガラガラという状態でしたが、映画館に到着したらチケ売り場が行列になっていたのよ。

それでも席は余裕でとれました。

で、着席して、5分経ったら、なんといつのまにか全席うずまってるのよ。

びっくりでした。

駆け込みでみんな見に来るのね・・へええ~~@@




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