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子供時代ってのは大事ですね。柔らかい脳にしみこむ言葉の力と言ったら絶句。
ベストセラーで映画にもなったというこのタイトルが気になり

なんせ綾瀬さんのご出演だしというわけでしたが

何も知らないで見たせいなのか衝撃でいまだに頭がおかしい状態。(それは元々)


序盤は、

臓器移植(取り出し)のオペ中で、4度目というセリフがあり

臓器提供遺体(@三浦春馬)に対しても乱暴な扱いがみられ、

綾瀬さんが後は引き受けたと事務的に薬剤を注入して焼却していました。

とんでもなくニュースなシーンなのに淡々としかも殺伐と進行していくのには戦慄です。

それはなぜなのか。



綾瀬さんの回想で20年前へとさかのぼります。

陽光学苑は特殊な学校でした。

後にわかりますが

子供たちはおそらくクローンで生まれた様子。

でも普通に人間として生まれている状態で

屈託ない子供の時代をこの寄宿学校で幸せに過ごしているわけです。

授業は社会科がなくて代わりに「心」の課目があるのでした。

「優しさ」を植え付け、その行為や心情に拍手を送るような刷り込みor洗脳と言うべき授業。

そして4年生の終わりに麻生校長が真相を語ると言う仕組みです。

一桁の子供時代はただ幸せに無垢に。

10代になってその道筋を有無を言わせず理解させると言う方針のようです。


言葉巧みでしたね。

あなたたちはふつうの人間ではありません。

神に選ばれたあなたたちには「提供」という使命があります。

特別に生まれたあなたたちの存在。

あなたたちは崇高な使命をもった天使なのです。

「天使」

やっと日本語がどうにか伝わるようなこの年代の子供たちにとって

天使という甘美な名称はこの上なく上等に響いたに違いないのでした。

拍手が起こり、それは新任の伊藤歩先生を戦慄させたことでしょう。

まさに洗脳にふさわしいシーンでした。


寄宿舎生活も親のいない子たちですから学校がすべて。

しかも山奥の中で世間から隔絶されていてテレビなどもないわけですから

先生や周りの級友たちが自分を取り巻く世界ということになります。

ここでは先生が絶対的存在。

お買いものごっこをして外の世界を垣間見るような学習もあり

いずれ大人になって外に出たときに困らないためにこれは必要なことでした。


こうやって洗脳されて、

臓器を求める人のために進んで臓器提供するという方向に誘導するんでしょうか?

子供の柔らかい頭にこういう思想が入り込んでいると

自分の体を誰かのために使うのが当たり前だと思って成長していくのでしょう。


麻生校長のあのうっすらと優しそうに微笑みながらの演説がこの上なくぶるっときました。

麻生さんてこういう不気味なホラーな役が似合いますよね。

少なくとも以前の変なオバOL役よりずっと合っています。


この学校の方針は心に「臓器提供」は美しい行為と信じ込ませ、

身体は出来るだけ汚染させないためにタバコなどはもってのほかと教えこみ、

身体を傷つけないように運動よりも絵の能力を尊重することなのでした。

身体測定で体が順調に発育し「臓器提供」に順応できるように、

絶えず注意深く観察しているということでもあるのでしょう。


そのために何を食料とするとかいうのはないのかもしれないですけど、

給食のなかに何かの薬剤、促進剤など入っているのかもしれないですね。


ともかく、子供たちは

いちおう子供らしく仲良しの友達がいたり、恋心があったり、けんかしたり、

またどこでも見られるいじめや疎外があったり・・。

いろんな悩みや葛藤や苦しみをかかえて

建前上は普通の人生を歩んでいくのでしょうか・・?


まだまだその奥に潜む闇は見えないのですが

とにかく鬱々として暗くて恐ろしいテーマであることは間違いないのでした。


この怖さを両手で覆いながらも気になり見続けていくのだと思います。

次回、どうなりますかね。

冒頭で焼却されたと思っていた三浦君(トモ?)が

ラストでは生きていてベッドに横たわっていました。

このベッドの三浦君のためにクローン(トモ)が作られていたということなのかしら?

謎だ。




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