11/24/2007 「海峡」1・2話
戦争の話というのはそれだけで重苦しくてその暗さに耐えられず
目をそらしたくなるのは皆同じというところですが、
思い切って見て良かったです。
日本の過去の時代を知らない人は多いと思いますけど
多少なりともその側面が描かれ、断片的であっても知識を得る事は大事です。
少なくとも好きな韓国の俳優さんが住む国だと思えば
その背景を知ることも重要かもしれません。
今回は長谷川京子さんと眞島秀和さんの熱演が非常にすばらしくて
なかなか魅せてくれました。
1話は終戦直後の話。
朝鮮で終戦を迎えた日本人は一人1000円だけと持てる荷物という最低の条件で
強制送還となります。
朝鮮で釜山海運を興し大企業となした伯父進藤@津川雅彦も例外ではなく
伯父の会社で働いていた吉江朋子@長谷川京子も日本に帰ることになりました。
朋子の母は病死し、父は反骨の気があり何度もその発言により引っ張られてしまうという
経緯がありましたが最終的には父も病死。
二人の遺骨も日本に連れて帰りたいという朋子は、伯父の海運で木戸@真島秀和と知り合い、
その木戸のおかげで無事に遺骨を済州島から持ち帰ることができます。
この済州島に遺骨を取りに行くのもそれは大変なことだったんですね。
日本人は乗れない列車だったし、朝鮮人になりすますためチマチョゴリを着て乗る朋子も
かなりの冒険をすることになるんですが。
実はこの木戸という人は日本の憲兵をしていて父親の発言でしょっ引かれたときの人。
この人がのちに伯父の海運の事務をしていたことで再会するのですが、
会社に勤めている間は彼のことをずっと日本人だと思っていたのでした。
しかし、帰りの列車のなかで、実は朝鮮人だと打ち明けられ驚く朋子。
本名は朴俊仁。木戸というのは朴を分解した名だったのでした。
引揚げ船に乗り込む日、木戸が現れ自分と結婚して朝鮮に残って欲しいという。
心底から魅かれあっていた二人でしたが、朋子は両親の骨を日本の地に返さないといけない
と、それとやはり民族の血が流れている以上朝鮮人にはなれないと断るのでした。
こうして日本に帰り、父方の親戚に行ってみると本家、分家と争い、父の遺骨だけは置けた
ものの追い出されてしまうというかっこうになりました。
とにかくはらはらしてしまう1話でした。
次へ次へと先が見たくてたまらなかった・・
暗い戦争のこんな話はきっとこの頃はどこにでもあったと思います。
朝鮮で生まれ育ったという朋子。
それなりに朝鮮では羽振りもよく釜山女学校時代の幸せそうな雰囲気も見えます。
こうした事情が敗戦により一変してしまうのでした。
ほうほうの体で引き上げた朋子にとって初めての日本。
親戚の人たちが誰もが厄介者扱いするのがこの時代の背景です。
第2話は引き上げた日本での戦争後の混乱。
釜山女学校時代の友人清美も一緒に引き上げてきた仲間でしたが、
清美のところを訪ねてみるとその日の食べるものにも事欠く有様をみて
とても頼れないことを悟り、伯父進藤のところへ行くことになります。
ところが伯父も弟のところに居候しているわけで、朋子を預かれるわけがないのです。
そういう話をしているところに弟がやってきて、
病気の人間を追い出せないと朋子を置いてくれますが、女中のように下働き。
朋子はそれでも耐えますが思うのは木戸のことばかり。
ある日、水汲みをしている朋子の目の前に朴がやってきました。
進藤が朝鮮に置いていった財産を持ってきたのでしたが、
進藤は朴をなじるばかり。
朴としても不法な手段で入国したに違いないし、戦前の株や紙幣など価値がないでしょう。
時代が変わった以上どうしようもないのに、朴を責めるのが間違っています。
朴としても怒った勢いで帰っていきますが、朴を追って出てきた朋子もその場で連れ帰ります。
結婚し朝鮮人になって朝鮮で暮らそうという朴に朋子はようやくうなずくのでした。
どこに居てもやっかい者扱いされていた朋子にとって朴は愛する人であり救世主。
九州から引揚げ船に乗って釜山港に着きますがそこで朴は捕まってしまいます。
パスポートの偽造。
朋子も取調べを受けますが二人ともに釈放されました。
昔、憲兵をしていたツテがあったようです。
しかし、戦争が終わってもこのように面倒くさいものが常について回るのです。
この件で朴は朝鮮人からも裏切り者という烙印を押されてしまいます。
でも朝鮮で二人で暮らせばそれが一番の幸せだという朴を信頼する朋子。
朴の実家に行きます。
朴の母親は食堂を経営するようでしたが、朋子を大歓迎しました。
そして、二人の幸せのためにも大人の見解を話してくれます。
すなわち朋子は朝鮮語が話せないのと、日本人であるがために朝鮮の人たちは朋子を歓迎
できないしむしろ朋子は冷たくされ辛い人生を送るだろうと予測しています。
だから、朴が日本人になればいいと息子を日本に行くように勧めるのでした。
朝鮮の人たちの民族の結束といったらそれは強いだけに
息子を手放すということは断腸の思いだったはず。
それでも朋子のために朴になんとしても朋子を幸せにするように話すのでした。
そしてそれを実行。
小さな漁船に乗り密航、京都に上陸。
朴は吉江俊ニという名に変え、憲兵時代の上司、伊藤@豊原功輔を頼っていきました。
闇市といいますが
市場は活気に溢れ人がやってきます。
ここで、精進揚げという野菜のてんぷらの屋台を出し、
二人はそれなりに幸せな日常を送るのです。
そして戸籍はダメでもせめて結婚写真を撮る二人。
しかし、二人のことをどこかで調べた人がいて、吉江俊二という人間はこの世に居ないと
脅します。朋子はその口を閉じらすためにも黙って食事を差し出すのでした。
その様子を見ていた仲間の東大教授は脅迫だと詰め寄ってくれましたが
これが後に大きく二人の間を引き裂く事態へと予感させます。
時に、手入れが入って東大の教授が手錠をかけられ、俊二が怒っても、
朋子は絶対に逮捕されたら最後だと知っているだけになだめるのに必死。
こんな日常で焦った俊二は自分が早く日本人になるためには現金が必要だというのです。
金さえあれば、戸籍のことなどを何とかしてもらう当てがあったようです。
そして危ない橋を渡ってしまいました。
それが「うがい薬」の卸。
眉唾みたいですがどこからか薬品を持ってきて適当に作っては闇に流していました。
確かにお金は少しずつできたようですが朋子の顔は曇ります。
そしてその日が来てしまいました。
進駐軍のジープが来た。
朋子の胸騒ぎは的中してしまいました。
俊二を引っ張っていく警察。
俊二の罪状は薬事法違反、不法入国、もっとたくさんありましたが・・ええっと^^;
せっかくささやかに暮らしていたのに・・暗澹とした展開。
伊藤も教授も朋子のために骨折ってくれますが
俊二に面会に行くと裁判にはならないだろうと予言していました。
どんなことになってもたとえ朝鮮にもどされてもきっと日本に戻ってくるという俊二。
その話を聞いて朝鮮への強制送還を意味するという教授。
そんな・・・
はやる気持ちを抑え、面会に行くと京都にいた俊二はなんと佐世保に移送されたと言います。
すぐに九州に向かう朋子。
たった今、朝鮮行きの船に乗せられたと事務員が説明してくれました。
走る朋子。
米軍が二人見張っていましたが阻止するのを振り払い港まで走ります。
そして出たばかりの船に「俊二さ~ん」と叫ぶのでした。
船の中の俊二はその声が聞こえたようでした。
2話も国籍の違う二人には厳しい世の中です。
悲しいシーンというのは水際の別れですよね。
1話も2話も木戸@朴と船で別れ、名前を叫ぶのがかなり印象的。
戦争の象徴みたいな感じです。
この朴を演じる眞島秀和さんというのが大地の子を演じた上川さんにどこか似ていると思います。
ブレイクするといいですね。
いよいよ今夜が完結編。
ジェームス三木が実話をもとに書いただけにかなりの力作です。
この撮影になんと3ヶ月も費やしたそうですが
朝鮮と日本の架け橋でもあり、相当な手間がかかったことは想像できます。
1・2話を見ていなくても毎回独立した内容ですし
オープニングでさらっとおさらいしてくれますから十分理解できるし楽しめると思います。
なんと言っても今夜の出演は上川隆也さんですから!!
それにしても朋子と俊二が再会できるのかハラハラしてしまいます。
ぜひ、ご覧になってくださいね♪
思い切って見て良かったです。
日本の過去の時代を知らない人は多いと思いますけど
多少なりともその側面が描かれ、断片的であっても知識を得る事は大事です。
少なくとも好きな韓国の俳優さんが住む国だと思えば
その背景を知ることも重要かもしれません。
今回は長谷川京子さんと眞島秀和さんの熱演が非常にすばらしくて
なかなか魅せてくれました。
1話は終戦直後の話。
朝鮮で終戦を迎えた日本人は一人1000円だけと持てる荷物という最低の条件で
強制送還となります。
朝鮮で釜山海運を興し大企業となした伯父進藤@津川雅彦も例外ではなく
伯父の会社で働いていた吉江朋子@長谷川京子も日本に帰ることになりました。
朋子の母は病死し、父は反骨の気があり何度もその発言により引っ張られてしまうという
経緯がありましたが最終的には父も病死。
二人の遺骨も日本に連れて帰りたいという朋子は、伯父の海運で木戸@真島秀和と知り合い、
その木戸のおかげで無事に遺骨を済州島から持ち帰ることができます。
この済州島に遺骨を取りに行くのもそれは大変なことだったんですね。
日本人は乗れない列車だったし、朝鮮人になりすますためチマチョゴリを着て乗る朋子も
かなりの冒険をすることになるんですが。
実はこの木戸という人は日本の憲兵をしていて父親の発言でしょっ引かれたときの人。
この人がのちに伯父の海運の事務をしていたことで再会するのですが、
会社に勤めている間は彼のことをずっと日本人だと思っていたのでした。
しかし、帰りの列車のなかで、実は朝鮮人だと打ち明けられ驚く朋子。
本名は朴俊仁。木戸というのは朴を分解した名だったのでした。
引揚げ船に乗り込む日、木戸が現れ自分と結婚して朝鮮に残って欲しいという。
心底から魅かれあっていた二人でしたが、朋子は両親の骨を日本の地に返さないといけない
と、それとやはり民族の血が流れている以上朝鮮人にはなれないと断るのでした。
こうして日本に帰り、父方の親戚に行ってみると本家、分家と争い、父の遺骨だけは置けた
ものの追い出されてしまうというかっこうになりました。
とにかくはらはらしてしまう1話でした。
次へ次へと先が見たくてたまらなかった・・
暗い戦争のこんな話はきっとこの頃はどこにでもあったと思います。
朝鮮で生まれ育ったという朋子。
それなりに朝鮮では羽振りもよく釜山女学校時代の幸せそうな雰囲気も見えます。
こうした事情が敗戦により一変してしまうのでした。
ほうほうの体で引き上げた朋子にとって初めての日本。
親戚の人たちが誰もが厄介者扱いするのがこの時代の背景です。
第2話は引き上げた日本での戦争後の混乱。
釜山女学校時代の友人清美も一緒に引き上げてきた仲間でしたが、
清美のところを訪ねてみるとその日の食べるものにも事欠く有様をみて
とても頼れないことを悟り、伯父進藤のところへ行くことになります。
ところが伯父も弟のところに居候しているわけで、朋子を預かれるわけがないのです。
そういう話をしているところに弟がやってきて、
病気の人間を追い出せないと朋子を置いてくれますが、女中のように下働き。
朋子はそれでも耐えますが思うのは木戸のことばかり。
ある日、水汲みをしている朋子の目の前に朴がやってきました。
進藤が朝鮮に置いていった財産を持ってきたのでしたが、
進藤は朴をなじるばかり。
朴としても不法な手段で入国したに違いないし、戦前の株や紙幣など価値がないでしょう。
時代が変わった以上どうしようもないのに、朴を責めるのが間違っています。
朴としても怒った勢いで帰っていきますが、朴を追って出てきた朋子もその場で連れ帰ります。
結婚し朝鮮人になって朝鮮で暮らそうという朴に朋子はようやくうなずくのでした。
どこに居てもやっかい者扱いされていた朋子にとって朴は愛する人であり救世主。
九州から引揚げ船に乗って釜山港に着きますがそこで朴は捕まってしまいます。
パスポートの偽造。
朋子も取調べを受けますが二人ともに釈放されました。
昔、憲兵をしていたツテがあったようです。
しかし、戦争が終わってもこのように面倒くさいものが常について回るのです。
この件で朴は朝鮮人からも裏切り者という烙印を押されてしまいます。
でも朝鮮で二人で暮らせばそれが一番の幸せだという朴を信頼する朋子。
朴の実家に行きます。
朴の母親は食堂を経営するようでしたが、朋子を大歓迎しました。
そして、二人の幸せのためにも大人の見解を話してくれます。
すなわち朋子は朝鮮語が話せないのと、日本人であるがために朝鮮の人たちは朋子を歓迎
できないしむしろ朋子は冷たくされ辛い人生を送るだろうと予測しています。
だから、朴が日本人になればいいと息子を日本に行くように勧めるのでした。
朝鮮の人たちの民族の結束といったらそれは強いだけに
息子を手放すということは断腸の思いだったはず。
それでも朋子のために朴になんとしても朋子を幸せにするように話すのでした。
そしてそれを実行。
小さな漁船に乗り密航、京都に上陸。
朴は吉江俊ニという名に変え、憲兵時代の上司、伊藤@豊原功輔を頼っていきました。
闇市といいますが
市場は活気に溢れ人がやってきます。
ここで、精進揚げという野菜のてんぷらの屋台を出し、
二人はそれなりに幸せな日常を送るのです。
そして戸籍はダメでもせめて結婚写真を撮る二人。
しかし、二人のことをどこかで調べた人がいて、吉江俊二という人間はこの世に居ないと
脅します。朋子はその口を閉じらすためにも黙って食事を差し出すのでした。
その様子を見ていた仲間の東大教授は脅迫だと詰め寄ってくれましたが
これが後に大きく二人の間を引き裂く事態へと予感させます。
時に、手入れが入って東大の教授が手錠をかけられ、俊二が怒っても、
朋子は絶対に逮捕されたら最後だと知っているだけになだめるのに必死。
こんな日常で焦った俊二は自分が早く日本人になるためには現金が必要だというのです。
金さえあれば、戸籍のことなどを何とかしてもらう当てがあったようです。
そして危ない橋を渡ってしまいました。
それが「うがい薬」の卸。
眉唾みたいですがどこからか薬品を持ってきて適当に作っては闇に流していました。
確かにお金は少しずつできたようですが朋子の顔は曇ります。
そしてその日が来てしまいました。
進駐軍のジープが来た。
朋子の胸騒ぎは的中してしまいました。
俊二を引っ張っていく警察。
俊二の罪状は薬事法違反、不法入国、もっとたくさんありましたが・・ええっと^^;
せっかくささやかに暮らしていたのに・・暗澹とした展開。
伊藤も教授も朋子のために骨折ってくれますが
俊二に面会に行くと裁判にはならないだろうと予言していました。
どんなことになってもたとえ朝鮮にもどされてもきっと日本に戻ってくるという俊二。
その話を聞いて朝鮮への強制送還を意味するという教授。
そんな・・・
はやる気持ちを抑え、面会に行くと京都にいた俊二はなんと佐世保に移送されたと言います。
すぐに九州に向かう朋子。
たった今、朝鮮行きの船に乗せられたと事務員が説明してくれました。
走る朋子。
米軍が二人見張っていましたが阻止するのを振り払い港まで走ります。
そして出たばかりの船に「俊二さ~ん」と叫ぶのでした。
船の中の俊二はその声が聞こえたようでした。
2話も国籍の違う二人には厳しい世の中です。
悲しいシーンというのは水際の別れですよね。
1話も2話も木戸@朴と船で別れ、名前を叫ぶのがかなり印象的。
戦争の象徴みたいな感じです。
この朴を演じる眞島秀和さんというのが大地の子を演じた上川さんにどこか似ていると思います。
ブレイクするといいですね。
いよいよ今夜が完結編。
ジェームス三木が実話をもとに書いただけにかなりの力作です。
この撮影になんと3ヶ月も費やしたそうですが
朝鮮と日本の架け橋でもあり、相当な手間がかかったことは想像できます。
1・2話を見ていなくても毎回独立した内容ですし
オープニングでさらっとおさらいしてくれますから十分理解できるし楽しめると思います。
なんと言っても今夜の出演は上川隆也さんですから!!
それにしても朋子と俊二が再会できるのかハラハラしてしまいます。
ぜひ、ご覧になってくださいね♪
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