林真理子は好きな作家ですが、小説というよりは内容に興味を持ちました。

というのは先日の「脳ミステリー」の延長なんです。
目下の興味は介護とかアルツハイマーとか、

とにかく今度お友達に会うまでにある程度、知識を仕入れておこうと思って。

誰にでもいずれ両親の問題がでてくるでしょうし。

で、この本ですが読みやすくて介護が入ってる小説でヒットしたんですよ(笑

さっそくブックオフに直行。ありました。

ハードカバーで綺麗でしたけど105円だったのよ、古いから?一気読み。



語り手は42歳の日下裕子。

この人が不倫恋愛と母親の認知症の問題に直面していく物語。

カバーには

「人生は少しずつ秋へと向かう。それでも魂が触れ合うような奇跡の恋は生まれるのだろうか」

奇跡の恋とか魂のふれあいとか、恋愛を至上主義の見方で貫いていますが

裕子は家庭を持ってるんですよ。なんじゃこりゃ。

林真理子は登場人物を人生の勝ち組というかセレブとかそういった設定にするのね。

夫は有名私立中高一貫校の教師。まずは開成とかそこらへんをイメージしたらいいのかも。

子供は有名女子大の付属小学校。日本女子大がモデルだと思う。

建築学科の学生が早稲田の建築の学生と結婚する確率が異常に高いというから。(笑

そういう裕子もその女子大出身で、インテリアショップの店長という役どころです。

ブランド品のオンパレードできらきらするカタカナに目がくらくらです。

そのまま、テレビドラマに持ってきたら絵になるわね。


う~ん・・40代の恋?本気の恋なら別にいいんですけど、不倫でしょう?

女は一生恋する乙女で・・という主義は変わらないつもりですが、

ちょっとね現実にこういうことをするのかと思うといやだなあ~と思ってしまうのは

人間として未熟だからなのかね。ま、未知の世界だしね。

最初の恋は一方的な押せ押せに乗ってしまった末の恋。

この恋が消えたのは相手の男が不誠実だったせいでした。

他の同じような奥さんにも手をだしていたことを知ったから。


次の恋が、製薬会社の総務部次長という肩書きの人物。

製薬会社というのがミソです。何しろ裕子には認知症の母がいますから。

この会社が認知症の薬を出してるという設定になっています。

ファイザーなのかな(?

社長室の応接セットを買いに裕子のショップを訪れました。

そこが出会いです。

この時に350万のソファセットというのが出てきますが、

そういうのを普通に扱う高級ショップという設定なんですね。

ま、この次長@新井という人物は先の男よりはるかに誠実な事は確かです。

そういえば聖路加病院の近くのフレンチレストランで食事をするシーンがでますが、

その店、知ってます。常連ではないですけど。

なので、ちょっとした親近感が新井に対して芽生えますね(笑


で、母の認知症発症です。

兄一家と二世帯住宅にしてほぼ行き来のない状態の一人暮らしの母。

しかし、義姉がいうには言動や様子がおかしくなっていてついにお漏らししたという。

ところが裕子が電話すると全く微塵にも感じさせないというわけでなかなか信じられない。

思い切って訪ねてみたら異物を踏んでしまったということで現実を知ることになる。


そういうものなの?

お漏らしならともかくええ??と思うのですが・・・本当にそういう症状がでるの?

読み物だから大げさに作ったというわけでもないのね?

脳の中が壊れていくというか何かが起こっているのはわかるけど

どうしても受け入れられないという裕子の気持ちでした。

今は他人事だと思って読んでますが、これはいずれやってくる現実かもしれないのです。

とんでもなく恐怖に陥りました。

アルツハイマーといったら「私の頭の中の消しゴム」を思い出しますが

あの主役の女性は綺麗でしたし、現実のひどい症状を見せることもなく幕をおろしたので

想像だけの悲惨さがあるだけでした。


で、母をどうするかという策としては、施設入所を強く主張する兄一家と

可能な限り自宅で面倒みたいという裕子のあがきで進行します。


そして薬ですが、初期の段階で服用することで進行を抑えられ日常生活を滞りなく送れるという

レベルの薬だったようですが、それでも少しずつ進行することは否めないようです。


突然の電話が入りますが、それは外出した母が家に帰れなくなったというもの。

携帯の1番を押すと裕子につながるということをかろうじて覚えていたので裕子に助けを求めた母。

周りの景色や文字でどこなのかを判断しようとしますが母にはそれに応える能力がない。

それで誰でもいいから親切そうな人に携帯を渡すように頼む裕子。

とっさに他人の手を借りて判断するという機転には勉強になりました。

本当に親切な人だったようで渋谷に行った母が原宿にいたことがわかります。

すぐに迎えにいくからと待ち合わせを頼む裕子でした。

携帯を持っていたというのが本当に良かったですが、よく聞く徘徊とも違うし、

帰れなくなったら交番に駆け込むとかするんでしょうか?現実には・・・。

怖いですね。一時も目が離せないというか・・・

こういう症状が出て、子供に手がかかる義姉は疲れきってしまうわけで

施設入所ということがほぼ決定してしまいます。

それには母も意志のはっきりするときと曖昧なときが混在するようで

自分の気持ちとしてもきっぱりと施設にはいると言い切っていました。

裕子だけがいつまでもこだわっていたのでした。


施設入所。この小説の中の施設は6畳でひと月28万という設定でした。

その費用の捻出は亡くなった父の残した遺産と母の年金と足りない分を兄一家が出すということで

この先、何年かかるか分からない費用です。

自分たちの生活とは別に月々いくらか発生するわけで

月28万は妥当なのかどうか?

実はエリの森にも介護施設があります。

ホテルかと見まがうきらびやかさで何なのか最初わからなかったのですが、

いわゆる老人ホームでした。調べてみたら介護が必要なケースだと

ひと月部屋代約50万~+食事やら介護などが35万~という施設でした。

高級外車が並ぶエントランスですからね。

高名なかたのご母堂様とか入所なすってんでしょうね。

入居時に数億ぐらいは払うのでしょうね。

(***この部分、調べて後で訂正しています)

ま、これは特殊だとしても

公共の介護施設だとどのくらいなんでしょうかねえ?

それがわかればもうちょっと安心できるかもしれませんね。



裕子の恋の進展と母の症状の進行は比例していきます。

雨の日、新井と会っていた裕子は娘からの連絡で母の徘徊を知ります。

そうそう、裕子はどうしても施設入所に対して抵抗し、ついには家を出て実家の母と一緒に

暮らし始めたばかりでした。娘も連れていきますが夫は置き去りです。

そういう状況で、娘がクラブで帰宅が遅くなり、家政婦が買い物に外にでて、

一人になったとたんに家を出て行方が分からなくなったという母でした。

発見されたものの肺炎を起こしてしまいます。

目覚めた母はとうとう裕子すら分からなくなっていたという急展開になっていました。

「あなた、どなたですか?」

相当なショックを受けた裕子でした。

ここから施設直行という事は避けられない事となっていきます。

今は年金程度で入れるところがいっぱいあるというセリフがあったので

前述の施設よりは多少お安いところを見つけたということでしょうね。

その後にこの施設を訪れると「ご親切にありがとうございます」と母に言われる裕子なのです。


ラストは、新井との恋をそのまま進行させるという二人の誓いみたいなもので

終わっています。




認知症に関しての描写は正しいのかどうかはわからないけど

こういう進行をするのだということが少し理解できたというところです。

それと対策の仕方でも、施設にはいる前段階のレベルだと、家政婦派遣も公的援助が

つくかどうかで大きく生活を左右しそう。

裕子には店長という仕事があったので家政婦との連携というか綱渡りのスケジュールですね。

でも仕事をしていなくても四六時中ついているのは本当に不可能というか

共倒れというのはよくわかります。

だからこそ、ほんの1~2Hでも誰かの手を借りるというのは大切かもしれないです。

そのための援助があるのかどうか、モデルケースなどあれば見てみたいですね。


恋に関しては、これは不倫ですからね・・・

夫も過去に何かあったという設定なので対抗するように

自分も不倫をというところもあるんでしょうが

子供がいてそういう気になるんでしょうか?

正直気持ち悪いと思ってしまいました。

林さんも最後をどう納めるべきかかなり迷ったんじゃないでしょうかね。



Secret

TrackBackURL
→http://eri0309.blog98.fc2.com/tb.php/438-026ef342