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職人さんの登場です。新幹線の顔を作り続けた男。

新幹線のフォルムが流線型ですがこの流れるような美しさを作り上げる職人さんの技があった。

瀬戸内海の町工場でハンマーをふるう国村次郎さん63歳。

「ハンマー一筋、新幹線を作る」

山口県下松市。新幹線の町。大小20あまりの工場がある。多いときは年間100両以上出荷される。

始業30分前に出勤。

工場は職人11人。国村は工場長として束ねる。

扱うのは列車の先頭車両。車体の外張り、窓枠、計器盤などの加工。

車両メーカーの技術者が毎週訪れてくる。

この日は新幹線のプロトタイプの打ち合わせ。新たなデザインが国村たちの技術でできるかどうか。

国村は高度な要求にも知恵を絞り、方策を編み出す。


「できないとは言わない」

得意なのはハンマーを使い金属から曲面を作る「打ち出し板金」

金属をハンマーで叩くと凹むが周囲が戻ろうとする力が生じる。そのとき少し面が上がる。

これを繰り返すことで金属を曲面へと仕上げる。

「治具」

作業は治具と呼ばれる実寸代の型をもとに行われる。

単純に見える打ち技の影に職人技がかくされている。狙ったところを正確に打つ。

左手と足を微妙に動かしながら。そして

「無駄に打たない」

どこにどのスピードで打てばいいか読みきる。他の職人の半分の所要時間。


17才で家を出て板金一筋で生きてきた。

仕事が終わると真っ直ぐ帰宅。楽しみは晩酌。結婚36年。3人の子。

ものづくりのほかに大事な仕事がある。

中堅職人。坪島敬志35歳。

設計どおりに仕上げた部品が、うまく組みあがらない。

手違いで切り出した部品の型が間違っていた。

通常なら部品の切り出しからやり直しだが、国村は今の部品を使って形を整え

対応するように坪島に言った。町工場で働く以上どんな困難でも柔軟に対処できるようになってほしい。

カーブが型と合わないようです。縮めたり、広げたりする機械に板金を差し込んで形を修正しています。

一度国村に見てもらったがまだ精度が足りないといわれた。

「自分でつかんだ技術は逃げない」

相当参っている風の坪島さん。試行錯誤を繰り返し、その日の最後にまた国村さんにチェックを。

そうして見てみたら、カーブがぴたりとはまってました。「やったじゃん!」

見ていても金属がカーブをつけるというのがよくわからないけれどほんの少しのズレが差になって

誤差がでてきて難しいのですねえ。こういうところが技術ということなんですね!

彼も今日はゆっくり寝ねられるだろう・・と笑いながら去っていく国村さん。


スタジオin

新幹線の先頭車両が手作業だとは知らなかったが何故かと聞く茂木さん。

新幹線そのものが数が少ない。頭は先頭と最後尾の2両だけ。少量をオーダーメイドで作るには

打ち出し板金が向いているということ。

叩く品物によってハンマーも違ってくる。フラットなものはフラットなハンマー。

型が深ければ円形のハンマー。

円形の平アルミをお皿みたいにする実演をしてくれました。

叩いているうちに少しずつそりあがってきました。微妙に回しながら本当にお皿になっています。

アルミの板と台が接している一点を打つ。

茂木さんも試しています。

板にやみくもに打ってるだけで3点ガピタリと合う所を打たないと変な音がしてうまくいかない様子。

腕で打つのではなくて頭で打っている。上手くいくことを頭にイメージしながら打つ。



6人兄弟5番目。職業訓練校で板金の技術を身につけた。

17歳で下松市の鉄工所に勤めた。

最初の仕事は貨物列車のタンクカバーの叩き。

1年後、独立した先輩から引き抜き。列車の先頭車両を手がけててんてこ舞いだった。

迷わず飛び込んだ。

4年ほどで雲行きが変わった。鉄道の仕事は波があった。

大きな仕事の後は、仕事が減る。魚の行商用のガラスケース、コンクリートを流し込む型枠。

食いつなぐために何でも作った。

そして列車の仕事がくるとどんなに難しくても必死に取り組んだ。困難なものも手立てを見つけて完成

10年経ったあとに大きな仕事がきた。

超高速リニアモーターカー。車体の外張り。途方もなく難しい仕事。素材は超ジュラルミン。

反発力が強いため、ハンマーで叩いてもいつもの曲線が得られない。しかも力の加減で傷つく。

納期がせまっていた。頭を抱えていたが意地があった。

「できないとは言わない」

思うような曲線ができない。国村は試しに板の中心を軽く、周辺を強く叩いてみた。

するとこれまでできなかった曲線が生まれ始めた。3日がかりで美しいカーブを持つ部品を作った。

そのリニアモーターカーは時速517キロのスピードで走り、世界記録を塗り替えた。

歯を食いしばれば道は開ける。できないとは言わない。


再び茂木さんと。

超ジュラルミンが思うように曲がらなかったときの気持ちはどんなでしたか?

あの時はくたびれました・・。3日でやっと作り上げたけれど辞めようと何度も思った。

でもウチができなければリニアもできない責任も重大だった。

デキルできないではなくてつくりあげなければならなかった。

出来上がってやれやれほっとしたという。

板金の技術は奥が深いと思った。


職人として一流になるために必要なものは何?(住吉さん。いい質問!

「辛抱」だと言う国村さん。

どういうことですか?

辛抱して同じ仕事を長く続ける。仕事はどんなものも同じ。一つの仕事を長く続け極める。


10年ぶりに新人が入ってきた。

向山祐二 (21歳

半年、この基本を学んできた。飲み込みガ早く光るものがあると国村は見ている。

本気でやってくれるならあの子はけっこう早くできるかもしれないと。

弁当も自分で作ってくるという・・すごいです!!

これまで打ち込める仕事が見つからず転職を繰り返した来た人。

「今日から打ち出しの練習」新人にさせるのは異例のことだそうです。

単純に打ってるようで勘が良いらしく芯を捕らえることができたようです。

円形の板を叩かせ、皿のように盛り上げるアレもやっています。

一つ終わるとまた一つ。重さ1キロのハンマーを打つのも楽ではない仕事。数枚作った。

10時間以上ハンマーを打ち続けた。手がしびれたといっています。

次の日、向山が会社を休んだ。

向山が打った円版をなぞるとうまい具合に仕上がっている。センスがあると思った。

今の時代、ハンマーを振り続けてくれるかどうかが一番の心配。

国村も駆け出しの頃はやめようと何度も思った。でも思いとどまった。

一つのモノを完成させた喜びが何よりも大きかった。

どうやったら向山に仕事の醍醐味を伝えられるのか。

翌日向山が出勤。

国村はアルミ合金を渡し、新幹線の天井に使われる部品を完成させるように言った。

新人に製品を任せるのは前代未聞。

2時間後、力を入れすぎたために大きく曲面が浮いていた。ハンマーで修正している国村さん。

もう一つの部品も任せた。大事な製品。一切手を出さず見ている。

膨らみすぎた部分を溶接の人に焼くように頼み、もう一度曲面にあわせるように指示した。

完成した向山の板に合格を出した。確かな手ごたえをつかんだようです。

これからも続けて行きたいと話していました。

翌日、先輩の仕事を熱心にみている向山の姿があった。

職人の道は長く険しい。

しかし技は磨けば応えてくれる。技は裏切らない。


「プロフェッショナルとは」

立ち止まらず、前に進むこと。

自分の技術をそこで止めないで磨いていくということ。


*******************

いつも乗っている新幹線の顔の部分のあの曲面がこういうハンマーの手作業でできてるとは

本当にびっくりでした。

型に流して作るのだと思っていたら違うのね。

大きな平面一面を曲面に少しずつ曲げていくというそのカーブの微妙さは

ハンマーで打つことで現れてくるんですね。

本当に目からうろことはこういうことでした。

面白かった~。

番組を見るまでは、板金と聞いてもぴんとこなかったけれど

本当に、技術の世界って奥が深くておもしろいと思いました。

地味な努力が必要ですがあの新人の向山さんが国村さんの思いを受け止めて

りっぱな職人に育ってくれることを祈っています。



次回は 宮崎駿 ~ポニョ密着300日~





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