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09/06/2008 魔王 第10話
芹沢にあんなにすんなり謝罪されるとは。でも魔王さまの気持ちの行き場がないしねえ・・。
今頃じゃなくてその時にきちんと謝罪していたらと残念でたまりません・・。


直人(生田斗真)は、宗田(忍成修吾)を殺したのは自分だと葛西(田中圭)が言い張るのは、恋人だった麻里(吉瀬美智子)を庇うための嘘の供述だと悟る。全ては事件を影で操る領(大野智)の思惑通りに進んでいるのだ。友人と義理の姉との不倫という事実を突きつけられ、深く傷つき、苦しむ直人。そこにしおり(小林涼子)が現れ、「過去があるから今のまっすぐな刑事さんがいるんです」と直人を励ます。そして、「これ以上、誰も傷つく必要はない」と。

事実と向き合う決意を固めた直人は無実の葛西を救うため、麻里に葛西のアリバイを証言するよう依頼。はじめは拒否した麻里だったが、「俺のせいであの人が不幸になる方が辛い」と自分への愛を貫く葛西を目の当たりにし、宗田が殺された時間に葛西は自分と一緒だったと証言する。証言後、直人と麻里は典良(劇団ひとり)の元へ。自分を傷つけてまで葛西を守った妻に怒りを隠しきれず、証言を促した直人を殴った典良だったが、別れたいと言う麻里に対し、離婚するつもりはないと言い切る。 葛西と麻里の関係を知った栄作(石坂浩二)は「離婚はほとぼりが冷めてからでいい」と言い放つが、「…僕の気持ちはどうでもいいんですか?」と別れるつもりはない気持ちを明かす。芹沢家の嫁にふさわしい女は他にもいると一蹴する栄作に典良は、「あなたはいつも正しかった。いつも絶対だった。でもいつも父親ではなかった」と初めて父に対する思いを正直にぶつけるのだった。  その頃、領は葛西に麻里がアリバイを証言した事を伝えていた。「彼女が望んでいるのはあなたが救われる事です」と麻里の気持ちを葛西に伝えながら、しおりのことを思い出し、動揺してしまう―――。

葛西との接見の帰りに、警察署で出会った領と直人。「全てあなたの思う通りに進んでいます。これで満足ですか?」と直人は領を睨みつける。無視して行こうとする領に直人は思わぬ言葉を投げかけた。「あなたを捕まえることを考えると、あなたを通して自分を見ているようでやりきれない気持ちになるんです。あなたは…俺と同じ顔をしてる」と。それは、領が自分と同じように犯してしまった罪に苦しみ、もがき、後悔しても仕切れない思いを抱いているはずだということだった。そして、「…真中友雄さん!…すみませんでした!!」と深々と頭を下げた―――。自分が悪かった事を素直に謝る直人の姿を目の当たりにして、領は激しく動揺する。「今さらそんなこと言われても、結末は変わりません」直人は困惑して領に言う。「あなたは俺をどうしたいんですか?」領が復讐計画に描く結末とは・・・? 薫(上原美佐)が走ってきて、直人に届いた赤い封筒を渡す。中には、宗田を殺した工場から出てくる典良の写真が―――!まさかという思いを胸に直人はしおりの元へ向かい、殺害現場に落ちていた葛西の万年筆をサイコメトリーしてもらう。するとそこには典良が宗田にタバコを差し出した残像が…。愕然とし、激しく葛藤する直人だったが、「真実を隠してはいけないんです」と中西(三宅裕司)に典良を宗田殺しの重要参考人として令状を手配する事を依頼する。

「これで英雄に償える」と一連の計画が順調に進んでいることに満足する山野。領は「これが最後の仕事です」と一通の赤い封筒を置いて去っていく。 栄作は遺言状を託したいと領を呼んだ。反発する直人と典良を憂い、自分に何かあったら頼りにならない息子達を支えてほしいと頼む栄作。すると領は「この11年間、芹沢家の事だけを考えて生きてきました」と突然話し出す。「ありがとうございました。変わらず元気でいて下さって。落ちぶれることもなく、他人を犠牲にして」・・・その言葉は、11年前、友雄が芹沢栄作に言い放った言葉と同じものだった―――!あの時の少年が目の前にいる領だったと分かり、衝撃を隠せない栄作だったが、 11年前の自分の選択は親として最善だったと主張する。そして、自分を非難する領に対して「君もまた、自分の目的の為に、他人を不幸にしている」と。更に領にとって衝撃的な言葉を投げかける。「11年前のあの時…直人は英雄君を刺してはいない。あれは不慮の事故だったんだよ」。息子である直人の言うことを信じてはいたが、状況から見て息子を守る為には正当防衛にするしかなかったと当時の心境を語り、「…すまなかった」と頭を下げるのだった。栄作の予想外の告白に領は動揺を隠せない。
警察が来る前に海外へ逃亡する事を考えた典良は、麻里を連れていこうとしたのだが「あなたに必要なのは、社長の妻でしょ?あなたは、私を愛してない!」と芹沢家を出ていく。自分を捨て葛西を選んだ妻を罵倒する典良だったが、その目にははっきりと悲しみが滲み出ていた。そこへ直人がやってくる。宗田殺害の件で署に来てほしいと言う弟に対し「俺はいつだってお前を庇ってきた」と直人にすがるが、「人が過去を忘れても、過去は人を決して忘れない」と、真実から逃げてもずっと苦しむことになるだけだと罪を償うよう典良を連行する。

その頃、領は教会へ向かっていた。中に入るとそこには聖母マリア像に必死で祈りながら泣いているしおりの姿が・・・。見ていられず背を向けた領に、しおりが気付く。 「本当は…迷ってるんじゃないですか?どんなに苦しくても、やりきれなくても…暗いトンネルの中から出てきてください。本当のあなたは、弟さんを思う優しい人です!」と泣き崩れるしおりに「…僕は真中友雄ではありません。名前も過去も、全て捨てたんです。…英雄が死んだ時から」と言って立ち去ろうとする領。そんな領を必死で追いかけ、「あなたはみんなに愛されるべき人なんです。もう自分を苦しめるのはやめて下さい…」と、必死で思い留まらせようとするしおりに、領は「僕には、愛なんて必要ない…」と、裏腹な言葉を残しその場を去っていってしまう。

そして、肉親に手錠を掛けなければならない悲しみに暮れる直人の元に、赤い封筒を持って中西が現れた。中にはタロットカードが2枚。今まで雨野は一枚を直人に、もう一枚をターゲットに送っていた。この2枚のカードが意味することを直人は確信する。

「次のターゲットは俺です」



信じてくれ。俺が宗田を殺したんだ。

少なくとも葛西が犯人じゃないことはわかっているけれど、それでも葛西は麻里をまきこまないために必

死に自分だと叫ぶ。本当に麻里を愛してたのね。

しおりの残像読み取りの協力ですが、直人は犯人を憎んでるのかと問われ、

「分からない。自分がその人を殺人犯にし、狂わせてしまったのだから」という。

しおりには達観した目があります。

そんな直人も十分苦しんだし、それだから今の直人があると言ってあげます。

そしてどんなものが見えても真実から逃げないと固く決意するのでした。



人として償うものは償わなくては。

葛西に罪を着せた典良が直人にそういうのがとっても皮肉めいています。

その言葉がそっくり自分に返ってくるのも時間の問題だというのに。

直人は麻里に葛西といたことを証言してほしいと頼みますが、麻里は逃げています。

そして葛西も頑なに自分が犯人だと言い張ります。

直人は「人殺し」というレッテルが一生張り付くことを心配しているのですが、葛西は麻里が不幸に

なることを心配するのです。あの人の人生をおれなんかのせいで狂わすわけにはいかない。

あの人を守れなかったら俺は生きてる意味がない。麻里さんを巻き込まないでくれ。

俺はどうなってもいい・・・頭を下げるのでした。

その様子を別室で見ている麻里は、葛西の愛を受け止め証言することを決意したようです。


そして典良に、麻里の証言を知らせることになります。思わず直人を殴りつけますが麻里にも

最後は自分をとってくれると信じていたと言います。そして「わかれない」という。

そんなところに芹沢父が登場。

別れないのは正解だと言う判断ですが、典良には自分の気持ちをないがしろにされてるように思い、

反発のようです。全てが芹沢の対面を保つためという父親の考えに典良は母親も父の犠牲になって

死んでいったのだというのでした。外に出た父ですが胸を押さえます。持病の心臓でしょうか。

「兄貴」直人が声をかけます「宗田を殺したやつに心当たりはないか?」「知るわけないだろう!」

典良らしくない荒げた声に直人は察するべきでした。


領は葛西に麻里が証言したことを伝えました。すぐに反論する葛西ですが「わかってあげてください」

彼女はあなたのために全てを失う覚悟をしたのです。彼女が望んでることはあなたが救われることです。

こういいながら領はしおりの言葉を思い出していました。

「成瀬さんの天使にはなれませんか?」つい抱きしめてしまったこと。

それを重ねながら葛西を諭します。彼女を大切に思うなら彼女の気もちをわかってあげてください。


帰ろうとする領と出会った直人は呼び止めます。

全てがあなたの思い通りに進んでいます。これで満足ですか?

あなたを憎もうとすると英雄とあなたのお母さんのことが浮かんでくる。あなたを捕まえることを考えると

やりきれなくなるんです。あなたを通して俺をみているようで。あなたは俺と同じ顔をしている。

自分の罪に苦しみもがき後悔してもしきれない。そんな顔をしています。

領は「一緒にしないでください」と去ろうとしますが、それを遮り前に躍り出て頭をさげました。

「すみませんでした」

ずっと謝りたかった。11年前のあの日からずっと。

あのあと家を訪ねたけれど引き払った後で、死んで償おうと思っていたがここまで生きてしまったという。

「刑事になって悪い奴を捕まえれば許されるような気がしたけれど間違ってた。

全部俺の責任です。何でも望むようにします。死ねというなら死にます。」

直人の真摯な思いでしたが、先日以来何度も魔王様に会っているし、最初にこの言葉を言うべきだった

のにねえ・・。過去と決別しようとし気もちを入れ替えたというのはわかったけれど、本当に領の一家に

与えたものをわかっているとはとても思えないのです。

もちろん領は、今更何を言われても結末は変らないし、応えはすぐそこまで来ているというのでした。


帰る領とすれ違う上原は赤い封筒をもっています。

直人は刺す様な目で領を見ますが、振り向いた領とその目は絡み合いました。

出てきたのは倉庫から出てくる典良の写真。思わず領を見ますが既に帰っていったあと。

またいきなり走り出す直人でした。

同じ頃、典良にもその写真が届き、見ています。


山野と領は背中合わせです。

これでやっと英雄に償えるという山野です。

いじめられていた山野を英雄が助けてくれたのに、証言しなかったことをずっと悔いていたという。

領はもう十分償ったといい、最後の仕事を命じたようです。それは何だったのでしょう。


走り出した直人の行く先は典良かと思ったらしおりでした。

捜査も赤い封筒の写真とかしおりの残像読み取りに頼っていて警察が何してるって感じですわ^^;

例のボールペンの残像を読み取るしおりです。

見えたのは典良が宗田にタバコを差し出しそれを吸ったあと、死んだというシーンです。

しかし直人は犯人を兄と知りショックです。


芹沢父は遺言状を領に託しました。自分がここまで築いてきたものは並大抵ではなかったのに息子二人

は何もわかってないという。もしも自分が倒れたら息子達の支えになってほしいというのでした。

ここから領の告白が続きます。

もちろんいつどこにいてもあなたの息子さんを見守ります。

この11年芹沢家のことだけを考えて生きてきました。

ありがとうございます。変らず元気でいてくださって。おちぶれることもなく他人を犠牲にして。

事件後に友雄がこの芹沢に宣言したセリフをここで再現しました。

ようやく芹沢はあの時の友雄が弁護士の領だと悟ったのです。

すぐに自分を取り戻します。

見事だ。あの日の言葉通り、会いにきたということか。悔しかったろうな。そりゃ当然だよ。

しかし嘯く芹沢です。

人間は錯覚を起こす生き物だと言う。まっすぐ引かれた線が曲がって見えたり曲がった線がまっすぐだと

信じてしまうと。

父親として息子にできる最善の選択をしたことを悔いてはいないという顔です。

しかしそれが領には許せません。

「私の母親もあなたと同じように息子達を愛していました。でもあなたは愛する息子を奪われた母を

さらに傷つけ、踏みにじった。自分がどれだけ他人を苦しめたのか考えたことがありますか。

私はあなたを許さない」

決して声を荒げることもない領ですがそれは厳しく胸に響きます。


しかし芹沢も海千山千の男です。

領もまた目的のために他人を不幸にしていると瞬時にそこまで頭をめぐらせました。

そして11年前のあの事故は不慮の事故だったということを言います。

直人が必死で訴えてきたことを親の自分が信じないわけがない。

でも状況はどう見ても直人の不利だった。事故と世間に通じるわけがないことを知っていた父親として

あれは正当防衛にするしかなかったという。

実際、視聴者にもあれは事故だと再現されているのでここは芹沢の気持ちもややわかります。

「真中友雄くん、あれは事故だったんだよ」

フルネームで呼びました。さっきまで成瀬だと思っていた領をいきなり過去の事件の兄の名前に!

芹沢はその名前を一時も忘れた事はなかったのかもしれません。


しかし立ち上がり、「すまなかった」と頭を下げました。

このように、駆け引きができる男だからこそ事業を展開することもできたということですか。


でも領は現に英雄が死んでる以上、事故だといわれてももはや関係ないのです。

謝られても気持ちの行き場もあろうはずがありません。

無言で出ていくのが精一杯。


典良はパリに高飛びの準備。麻里にもついてくるように言いますが、拒否られてます。

それをひっぱたく典良。俺より葛西を選ぶのか。「さよなら」麻里は出て行きました。

典良は結婚写真を見て、出発しようとした矢先、直人が逮捕状です。

人が過去を忘れても過去は決して人を忘れない。兄貴、罪を償ってくれ。


あなたも自分の目的のために人を不幸にしている・・さっき芹沢に言われたことを思い出している領。

ふらふらと教会にきていますが、祈りを捧げるしおりがいます。

しおりも切々と訴えました。勇気をだして暗いトンネルから出てきてほしいというのです。

弟を思う優しい真中友雄さんだというしおりです。

でも領はこれが自分の本当の姿だといい、名前も過去も全部捨てたというのでした。

二人は涙・・涙です。

あなたはみんなに愛されるべき人です。もう自分を苦しめないでください。

僕には愛なんて必要ない。

結局、領はしおりを振り切りました。

外で泣き崩れている領です。


同じ頃、直人もまたつらそうな顔をしています。

そこに三宅上司が赤い封筒を届けました。死ぬ気で支えるという上司です。

封筒には同じカードが二枚。ここでピンときました。

それまでターゲットと直人にと1枚ずつカードが送られていたものが今度は直人に2枚。

次のターゲットは直人!


********************

芹沢家も典良の逮捕となり崩壊の危機にきました。

領があの時の事件の当事者と知ったら芹沢はもう切りますよね。


今頃、真実は事故でしたと謝られても領も気持ちの行き場がない。

もう走り出してしまった復讐は止まらないのです。

しかしどうしたいのかと聞かれて、「答えはすぐそこ」では曖昧すぎてわかりません。

直人としても戸惑うばかりです。

ただ英雄が死んだ以上は「死」が答えなんでしょうね。

それが誰かということになりますが、たくさんの人が死んでるわけで

最後までそれが続くということでしょうか。

復讐を思いとどまらせようとするしおりに、

揺れる領で、二人の涙合戦にすっかり貰い泣き。


唯一の救いは麻里と葛西の間に存在した無償の愛でしょうか。

二人ともに芹沢一家に関係しているのに珍しく美しい愛でした。

次回最終回。毎週楽しみにしていたので終わったら気がぬけそうです。


★★追記

魔王様のファンのみなさまへ、ikasama4先生が大野君を描いてくれてます。

目のキレがすごくそっくりできれいに仕上がってます。⇒こちらへ

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