内視鏡の道を切り開いたパイオニアです。工藤進英医師、61歳の仕事の流儀。
「神の目をもつ男」

秋田の大館を訪ねた工藤医師。検査着に着替えるのが大変だと言っています。

専門は大腸がん。年間4万人が命を落とす。

内視鏡と呼ばれる細いスコープを操り病変を見つけ出して切除する。

日本の内視鏡治療のパイオニア。

ガンの進行度を見極め最善の治療法を選び出す。

命を救うだけが医者じゃない。患者の人生を守ってこそ医者。



工藤は日本の大腸内視鏡治療を切り開いた一人。

30年で13万件というのは世界でもトップクラス。

患者さんは先生にはいつまでも元気でいてほしいと言っています。


20代。不治の病を治したいと出来て間もない大腸内視鏡にとびこんだ。

「はみ出しモノ」と言われた。不安だったという。

そして初めて証明した未知のガンに医療界をあっと言わせた。



「はみだし者が道を開く」

昭和大学横浜市北部病院・消化器センター長部長

工藤はこの副病院長をつとめながらセンター長として現場に立つ。

この日は治療方針を決めるカンファレンス。

率いる医師は30人。外科と内科の垣根はなく合同で治療にあたる。

専門は大腸がん。命に関わる病気だが早期発見すればほぼ100%完治できる。

早くみつけできるかぎり患者の負担の少ない治療を行うことが工藤の方針だ。

お腹を開かずに済む腹腔鏡を主張。


「患者の痛みは自分の痛み」

患者さんを一番いい方法でみてあげるのが医者の鉄則。

工藤の凄さはガンを見つけ出す並外れた技術があること。

健診でガンを疑われた人や、他の病院で対処できない患者が集まる。

工藤の武器は大腸内視鏡。先端に装着された特殊なカメラ。直径1・5センチ。

手元のコントローラーで操作する。

長さ1・5メートルの入り組んだ腸の中を調べながら進むが。通常20分かかるものを

工藤は5分でやってのける。

その技を学ぼうと海外からも医師が研修に訪れている。

ポリープが見つかった患者さんですが、これが将来ガンになるかどうかは多くは組織を削り

あとで診断するが工藤の場合はこの場で染色し判断してしまう。

工藤が見分け方を編み出したがその方法が現在、世界に広がっているという。

生理食塩水を注入し、細いワイヤーで巻き取り高周波電流で焼ききった。

今や世界的その名を知られる工藤は、大学病院だけじゃなく全国各地の病院を回っている。

地方を回っての診療を20年続けている。

地道な検査の積み重ねこそ人の命を救う。


「続けることが救うこと」

大学病院に近いマンションで家族と暮らし、たまの休みは買いためた本を読む。

自分の信念を貫く人が好きだという。

現在61歳。現場に立つことにこだわり続けている。

7月。難しい患者が訪れた。

腫瘍の形が特殊なため内視鏡の切除は難しいといわれていた。

腫瘍にたどり着いた。生理食塩水を注入。患部を盛り上げたが面積が広く切除しにくい。

通常なら外科手術に切り替える症例だ。

だが工藤は内視鏡でできると踏んだ。医師として貫き続けた流儀。


「命を救うだけじゃない。その後の人生も救う」

患者の人生はガン治療後も続く。

できるだけ体の負担を減らすことがその後の生活を守ることにつながる。

もう一度生理食塩水注入。

高周波電流を流し、切除。見事に切り取った。

「先生じゃないとできないといわれてきた」と患者さんが言ってました。


「スタジオin」

一日多いとき25人ぐらいの検査をする。半日で25人だそうです。

痛そうというイメージがあるが?(住吉さん

基本的に大腸には知覚神経がないから痛みは感じないが

過度に腸管を伸ばしたりひねれば痛みがでますけどほぼ痛くない。


研修用に模型を持参してくれました。内視鏡を見せてくれました。

360度車のハンドルみたいに自在に操るのが手元のコントローラー。

先端のカメラには明かりがついています。空気を出したり入れたりするのも検査に必要。

S状結腸の辺りが難しいそうです。空気をいれてまっすぐにすることで患者も苦しまないとか。

カメラは100倍のズームがついている。病変を見分ける。

このズームによって診断が出来やすく、内視鏡か外科手術香の判断もできる。


検査の合間の短い時間に昼食。移動のタクシーで食べたり、いつも慌しい。

工藤は秋田出身。開業医似生まれ自分も人を助けたいと思った。

新潟大医学部を卒業。消化器外科を選んだ。

すぐにガン医療の厳しい現実の直面。30年以上前は精度が低く発見の遅れから多くの患者が

命を落としていった。無力感。

医師となって半年。研修先で聞いた話。これからは大腸がんが増えていく。

そのとき必要なのは正確な診断ができる内視鏡だと。

しかし大腸内視鏡検査は

「お産よりくるしい」と言われていた。

腸の壁を破る危険もあると。一日に一人がやっと。この技術が進めば多くの患者を救うことができる。

内科担当の工藤がやらせてくれと頼み、昼休みに内視鏡の検査に取り組んだ。

休みを返上し、他の病院にも出向いた。うまくなりたかった。

少しずつ早期がんを発見し、治療に結びつくケースもでてきた。

しかし受診者は増えない。ある日、上司から言われる。

「内視鏡にのめりこみすぎだ」

本当にこんなことをしていいのかと悩む日が続いた。

しかし学会でであった医者は

「やりたいことをやっている君は幸せだ」と言ってくれた。

自分がやっていることには意味があると思った。

患者の負担が減るように痛みの少ない独自の挿入法を考えた。

そしてガンをその場で診断するためにメーカーと共同で100倍まで拡大できる内視鏡を作った。

進行の早い陥凹型ガンを発見し世界をあっといわせた。

今、大腸内視鏡は広く世界に普及。

はみ出しと言われた医師はエキスパートとして最先端を走っている。


再びスタジオ

若いときに外科医でありながら内科医が行う内視鏡に取り組んだときは迷いがあったと思う。

どんな思いで内視鏡に取り組まれたのか?

当時、早期ガンはほとんど見つからなかった。

内科が診断し、外科が手術という体制。

内科も上手くないとガンが見つからない。早期診断、早期治療を自分で行おうと思った。

長い間、大腸がんや胃がんをオペしてきてその技術を捨てることになる。勇気が要った。

でも学会の後で高名な医師と飲んでてつい愚痴を言う工藤先生に

「やりたいことがあってもできずに当面の仕事に没頭しなければならない医者は大勢いる。

やりたいと思ってやっている工藤先生は幸せだと思う」といってくれた。

それで吹っ切れた。


医者の診断は患者の人生を変えるし命まで左右するが恐さはないか?(茂木さん

恐さよりも何か落とし穴がないかといつも考えてしまう。

工藤先生が判断することで大事にしていることは?(茂木さん

もしも患者が自分の家族だったらとどうするかを想定する。

自分の全知全能を介して治療にあたる。

「人生を背負う決断」

8月半ば。外来の日。

千葉からやってきた患者さん。村川さん。


大きな腫瘍で下に食い込んでいるという。2つの病院を回ると直腸全摘出し人工肛門になるという。

そうなると排泄のコントロールが必要になり、特別な処理が必要になる。一縷の望みをかけてきた。

最善の方法を考えると工藤先生は応えていました。


村川さんのガンは判断の難しいものだった。

精度の高い診断をくだせれば手立てがあるかもしれないと判断。

上手く行けば内視鏡でとれるかもしれない。


医師となって35年間。大腸がんと取り組み続けてきた。13万件の検査が今の工藤を支える。

医者の仕事は命を救うことだけじゃなくその後の人生を守ることも大切な役目。


村川さんの検査。

がんの広がりの見極めは表面に出ている腫瘍の形で識別。

形が崩れてなく、周りとの境界が曖昧でなければガンは周囲に広がっていないと判断できる。

そして、村川さんのガンは境界もはっきりしていて周りにも広がっていないと判断。

問題は深さ。思ったよりも深い。転移の可能性がある。ガンは内視鏡ではとりきれないと判断。

思ったよりも深くリンパ節転移の可能性もある。広範囲と見れば開腹しかない。

だが小さく穴をあけて腹腔鏡の切除もできる。転移の範囲をどこまで正確にみきわめられるか。

「命の重さ 人生の重さ」

新たな検査では転移の可能性は少なかった。人工肛門と言われた村川さんですが、腹腔鏡で

手術を出来ると判断。村川さんはありがたいと喜んでいました。


プロフェッショナルとは?

自分の経験と自分の知識をそれから技術を総動員して

結果について責任を負える人間。

**********************

内視鏡というもの、一度も経験ないですが、恐そうですね・・・ブルブルです・・。

痛くないとは言ってましたけど・・・

この大腸内視鏡という分野の発展で早期発見、治療ができるようになったのは

工藤医師の開拓精神によるもの。感謝している患者さんは大勢いらっしゃいます。


大腸の中を映しているので医師ならかぶりつきでご覧になったのではないでしょうか。

素人の私なんかはちょっと目をそらしたい映像の連続で困りました^^;

でももしも大腸がんと診断されたとき、頼りになる医師を知っているというのは心強いですね。

これからも患者さんが殺到しそうな気がして、先生には本当にいつまでもお元気で

現役でいてほしいと思いました。

ドラマなんかでも最善の治療をし、命を救ったらその後は・・野となれ・・という状態。

でもその後を考えることこそ大事だというストーリー展開でした。

現実の話、工藤先生はいつも、

「患者が家族だったら」と想定して最善の治療を心がけるということに感銘をうけました。

最後に登場した人工肛門になるかもしれないといわれた患者さん。

3度目の検査で腸を残せるかもしれないと聞き、本当に嬉しそうでした。

命が助かっても生活の質が落ちては生き残っても・・とつい思ってしまうものです。

工藤先生に診てもらえて本当に良かったですね。






次は食の秋スペシャルだそうです。


Secret

TrackBackURL
→http://eri0309.blog98.fc2.com/tb.php/690-79e4fd5a