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落語は伝統芸能であり文化なんですね。一つの芸術です。

今週は落語の師匠、柳家小三治さん、68歳の仕事の流儀。

笑わせるのではなく笑ってしまうのがホンモノの芸だと言っています。

タレント活動には目もくれず、年200日高座に上がり続ける孤高の落語家。

師匠は人間国宝、柳家小さん。

突き放され悩みぬいた日々があった。


「笑いの奥に人生がある」

千葉印西市。一年中全国を回っている小三治。

ヒゲが伸びていて誰かわからなかった。普段はヒゲも剃らないそうです。

その会場でどんな演目を話されていたかのネタ帳を見てからその日に話す演目を決めるそうです。

この日は、客に子供がいるということで何かそれにちなんだ候補が決まったようです。

「野ざらし」古典落語だそうです。子供を意識して本格モノを選んだと。


小三治の真髄は生き生きした人物描写にある。

声色や表情の微妙な変化で老若男女を演じ分ける。

奇をてらわず、無駄をそぎ落とした芸風。

小三治が考える落語の極意とは

「笑わせるのではない、笑ってしまうのが芸」

心の底からこみ上げて笑ってしまうもの。


持病のリューマチがありますが薬がすごい。ご飯がおかずというくらいの薬の量。

痛みがすごいときは紙を丸めることもできないとか。

薬で免疫を抑えてるから風邪をこじらせても命にかかわる。

重い病、体の衰え。それでも飄々と高座にあがる。

「人生全てが落語に出る」

お客さんはその人柄を聞きにきてくれている。

全部を取っ払った素の部分を。

小三治さんは自分を地味で生真面目で面白くない人物だと話しています。

愛知のホール。

誰もいない会場で発声練習。音響は申し分ない。ただ体調が気にかかる。声が出ない。


「背伸びをしない」

声が出ないときは声を出そうとしない。出ない自分でその日をやっていく。

無理しないと言っています。

この日は「転宅」泥棒と奥さんのはなし。泥棒に相談するふりして逆に騙すという話。


「スタジオin」

演目をその日に決めていることに驚きました(茂木さん

その日の体調、気温、世の中の流れそしてどの噺がいいかと考える。

150~160覚えたのに今できるのは50もない。30ぐらいしかない。

覚えたあの120はどうしたらいい?と茂木さんに聞いてます。

脳科学では忘れない特効薬はない。

繰り返し練習し、出力するしかないという。

間合いとかリズムは残るからそれが芸風になるという茂木さん。

落語の技の実演

たたみのセットに座る茂木さんと住吉さん。

小三治さんはいつも黒の紋付。本人の姿を消して落語の登場人物が生きてくるように。

持つものは扇子とてぬぐい。折り方で名前じゃなく柳の柄がでるようにしたいという。

江戸前。

煙管とタバコを演じる。見えないけど実際に行う。これが江戸前。

扇子で蕎麦を食べるまね。お見事!

茂木さんもよだれが出そうだといってます。

茂木さんはさまざまな登場人物になってほしいとリクエストしますが、

「無理」だと返事。

落語は喋るんじゃなくてその人の気持ちになって入っていくもの。

鏡を見て練習されるのですか?(住吉さん

鏡を見た事はないという小三治さん。

映画や芝居をみて例えば「若旦那」のイメージを探ったりすることはある。

飲みに行っても、顔の表情を変えたり、泣いてる風の人も、鼻をつまむくせも・・観察。

徳利を横にする人もいる。

すっかりウケました。思わず拍手してしまったくらいでした。

そうなってしまう人間の心持を学ぶという。


昭和14年新宿生まれ。父親は小学校の校長先生。しつけも勉強も厳しかった。

その反動で学校では人を笑わせることに熱中した。

落語に夢中になった・高校では落語研究会に入り、ラジオの落語番組で15週勝ち抜いた。

弟子入りしたのは後の人間国宝柳家小さん。

笑いがとれる話し方の研究。

4年後、高座にあがるようになり技巧にたけた小三治の落語は評判になる。

ある日、師匠の小さんがじきじきにけいこをつけてくれた。終わってから

「お前の噺はおもしろくねえな」とだけ言った。

必死に技術を磨いてきた自分の落語を師匠からは全否定された。

本当の面白さは何か?わからなくなった。

まもなく17人抜きで真打に抜擢。しかし師匠の言葉に苦しんだ。

映画も芝居も見てまわった。

寝ても冷めても面白いとは何かと考え続けた。

思いつめて落語をやめようとおもったこともある。

古今亭志ん生は

「落語を面白くするには、面白くしようとしないことだよ」と言ってくれた。

面白く話そうとせず素直に演じてみようと決めた。

40,50と素直に演じる難しさを感じてきた。

理想を求める旅はまだ続いている。


「再びスタジオ」

師匠に言われたことはかなりショックだったということで全部嫌になったのではないですか(住吉さん

好きで入った道だから。大学行かなくても人間として生きてみせると誓っていた。

今日の自分を明日越える、明日の自分を明後日乗り越えよう。

勲章がほしいとか思って入ったわけじゃない。

だから「面白いとは何か」という命題に行き詰まってしまった。

今でも自分はダメな人間だと思うことに何の斟酌もいらない。

一番下からものが見られないと落語はできないということも知った。

一番下にならないといけない。

病気になって自分以外のものに頼るようになって20年になり、それが大きかった。

病気になってよかった。人のありがたさ、痛みを知った。

人間はなぜ笑いを必要とすると思いますか(茂木さん

ただ、笑っちゃうんじゃないの?笑って嬉しいんじゃないかな。小噺にこんなのがあります。

「これだけ不精者が揃ったんだから、こんど不精会をやろうじゃないか。

よしなよ、面倒くさいから」・・・笑


8/1 一年で最も過酷な高座。

楽屋は6畳。出演者全員が使っている。

池袋の寄席。狭い客席で反応も手に取るようにわかる。非常に厳しい舞台。

もっと楽をしてもいいのに突っ張って生きていると本人は語ります。

客は常連、耳の肥えたお客を相手に力んでは逆に芸が乱れます。

会場の前には長蛇の列。人気あるんですねえ。

3日目。

暑い日にクーラーで体を冷やさないように重ね着していますが体調は悪化してます。

演目が決まらない。弱っている小三治さん。

候補を決められないまま高座に座った。

今日は噺も枕もしたくない・・と切り出していますが・・これは本音。みんな笑ってます。

20分後ようやく小噺が・・「あくび指南」

この日も観客を笑わせて味わい深く終わった。

中に休みの日を入れている。

過酷な夏の高座だがこれにこだわり続けているのはお客さんが励ましてくれてる気がするから。

マッサージ受けています。


8/8寄席5日目。この日も満員。

「猫の災難」笑いに包まれて終わりました。猫の舌なめずりが猫そのものみたいでした。


その夜は床屋。

客のためにやってるんじゃねえという自分と、この人たちにどう喜んでいただけたらいいのかと思う自分

が一致しない。どこかで一致するはずだけどまだ一致しないという。


翌日。会場は満席。

疲れはピーク。今日の高座をのりきれるか?

高座に座ってみたら、漢方薬の入った湯のみが置いてない。

のどの調子が悪いのにケアすることができない。ココロが揺らぎかけたときにつぶやいた。

「小さく、小さく」

受けようとせずに、軽くぽっというひとことが意外と心に入り込むもの。

「死神」死神を追い出す呪文を教わった男の話。大きな拍手。

控え室に戻り水を一気のみ。忘れてしまった前座の若い子が神妙に必死に謝ってます。


最終日は得意のネタ「宿屋の富」

真夏の高座を乗り切りました。


プロフェッショナルとは

周りが見てすごいと思っても本人はそんなことを思ってない。

そんなことよりも今のことで夢中だと思います。

*************

落語は面白いですよね。

私はお笑い系より好きです。

寄席に行ったこともないですけど。

長蛇の列にその人気度を確認してびっくりしました。

いいですねえ~。


色んなネタを覚えても今使えるのは30ぐらい。

でも、間合いなど味わいが生まれてくるというのに納得でした。

現在68歳の小三治さんですがまだまだ道を追究していくのでしょう。

表情のしわのひとつひとつに登場人物が刻まれているようでした。


次回は脳活用スペシャル


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