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磁石の力を使った新型人工心臓の開発リーダー、野尻知里さん、(56歳)の仕事の流儀。
野尻さんはアメリカ在住。スタッフ130人を抱えるリーダー。

人工心臓開発の初期から携わり、実用化まで漕ぎ着けた。

世界一の心臓病大国アメリカでの挑戦。人工心臓に命をかけたドラマ。


「夢を怖れず走り続けろ」

医療機器メーカー、米国法人 CEO、アメリカ、ミシガン州在住。

朝コーヒーを入れることからスタート。

一日、ミーティングやサインなどで目まぐるしく過ぎる。

去年、新型人工心臓がヨーロッパで認可され多忙な日々が続いている。

野尻たちが作ったのは、体内に埋めこみ、弱った心臓の機能を補う補助人工心臓。

人工心臓の開発は血栓との戦い。

装置内部にできた血栓が脳に至ると脳梗塞を引き起こす危険がある。

野尻たちの人工心臓は

内部の羽根車を磁石の力で回転させて宙に浮かせ手回転させる。

羽根車がどこにも接触しないため血栓が出来にくいといわれている。

日本の人工心臓が海外で認められたのははじめての快挙。

現在は量産化に向けて更なる技術改良の日々。

ヨーロッパ認定の次の、心臓病大国アメリカでの認可に向け準備を重ねている。

130人のスタッフ。医療機器の技術者。加工や組み立ての専門家。

マーケットや申請業務のスタッフ。

12カ国の専門スタッフを束ね、リーダーとして貫く流儀がある。

「チアリーダーになりきる」

月に1回の朝のミーティングには必ず食事をつける。

スタッフの前ではウルトラポジティブ。


この時期、認定化に向けて臨床試験に奔走していた。

病院側の協力を自分たちでとりつけないといけない。

動物の心臓を使っての技術指導も行われた。

招待したのはアメリカの名門病院。

臨床試験の参加が決まれば他の病院へのはずみがつく。

いい感じだという話がでています。握手が出た。

人工心臓のトップを走るアメリカで認可を受けることが野尻たちの悲願である。


かつて野尻は心臓外科医をしていたが、より多くの命を救いたく人工心臓開発に身を投じた。

8年前4人のスタッフでアメリカに渡り、少しずつ増えていき現在の130名。

信じる言葉は

「夢が人を動かす」

私が見ている夢が実現するから人はついてくる。


休日は家族と過ごす。同じ研究者の夫と13歳の娘。

40代の初めに結婚出産。研究の苦しいときを家族が支えてくれた。


名門病院の臨床試験はなかなか契約が出来ない。

担当者の報告は、移植キットの価格が高すぎる。競合他社と同程度まで下げてほしいというもの。

コストがかかっている説明には関心がないといわれた。

臨床試験の時に、機器を買い取るので、値引きを要求してくるのがアメリカ流。


「夢をかなえるのは、自分」

やることはやる。あきらめない。

大学病院との交渉前にスタッフの意見を聞いた。

価格を下げずじっくり交渉することを決めた。

あきらめず筋を通して向き合い続ける。


スタジオin

その後、この交渉はどうなりましたか?(茂木さん)

リストプライスを下げず交渉が成立した。

どういう患者がつけるのか?

エンドステージと呼ばれる末期の重症心不全の患者さん。

心臓の筋肉が弱って血液を回せない心臓状態を慢性心不全といい、

放置すると1年以内に50%死亡。

心臓移植が一般的だが、ドナーがいないから今のまま人工心臓をつけて移植へのブリッジ。

人工心臓をつけてるうちに回復する例もある。ブリッジ トゥ リカバリー、回復へのつなぎ。

この3つのやりかたがある。

人工心臓の治療成績。

多い州で70例。1年生存率。認可後84%。

国際移植学会の数字とほぼ同じ。移植の場合は5年10年と長い目で見る。

野尻さんたちも2年3年と長い目でみて移植と同等だったらいいと思っているところ。

新型人工心臓の実物。

心臓の下に筒状のものが取り付けられています。

バッテリー、コントローラーがある。

外出の時は、これらを持参する。

上のタンクに水を入れて回転させていますが、勢いがあります。

実際に毎分6リットルぐらいがわーっとでているという。

成人男性で十分な血液量をカバーする勢い。

画期的発明は羽車にあった。

軸がなく浮き上がっている。軸があると磨耗し、そこに血液がよどみ血栓ができる。

それが頭に飛んで脳梗塞になっていた。

だから、磁石で浮かせるという発案が画期的だった。

血液そのものが生き物ですね(茂木さん

確かに血液との戦いであった。

日本でも10月から臨床が始まった。


野尻はサラリーマン家庭に生まれ、ノーベル賞を夢見て京都大理学部に入学。

お茶くみの仕事しかないといわれ医学部に入りなおした。

興味をもったのは心臓。卒業後は心臓外科医としてはたらいた。

土日も返上し治療に没頭。

当時は重症の慢性心不全に有効な治療がなく、多くの患者を看取った。

外科医の限界を感じたときに、関心を持ったのが人工心臓。

39歳の時に、外科医をやめ、医療機器メーカーの研究所に入所。

人工心臓の研究に取り組み始める。

人工心臓はいかに血栓をできなくするかが勝負。

京都大教授と医療機器メーカーが考案した磁石を使った人工心臓に注目。

かれらとともに共同研究に乗り出した。

夢物語だと笑う人もいた。しかし日々懸命にうちこみ、9年後に試作機にたどりついた。

だが実用化には大きな壁があった

「訴訟が恐くてできない」

体に埋めこむ人工心臓。事故がおこれば裁判になりかねない。多くが協力を見送った。

野尻は3人でアメリカにわたった。

部品メーカーを回り20社以上製作を依頼してまわった。

まともに取り合ってもらえなかった。

人の命を救うためと何度も足を運んだ。

出身も文化も違う多国籍チーム。

そして4年後ヨーロッパで実用化のメドをつけ臨床試験に臨んだ。

試験が始まってまもなく、脳出血で死亡が続いたが、外部審査では機器そのものの問題ではなく

術後管理にあると報告。

医師らがそれまでの人工心臓と同じに、人工血栓を出来にくくする薬を大量に投与したため。

しかし死亡患者が出たことで周囲がざわついた。開発中止の声も出た。

それでも野尻は臨床試験は続行した。医師として術後管理をサポートした。

それから3年。ヨーロッパで認定された。

日本の人工心臓が海外で認められた瞬間だった。


再びスタジオ

臨床試験の最中に開発中止の声があったということでどんな思いでしたか(茂木さん

デバイス(装置)が悪いのではという周りからのプレッシャーが非常にショックでした。

メールでガンガン中止の声が送られてきたが、一切チームには言わず、自分のところで阻止した。

落ち込んでる閑はなかった。

逆境をささえていたものはなんですか?(茂木さん

デバイスを世に出したかった。医者を嫌いで辞めたのではなく助けられないものを助けたかった。

泣くだけ泣くと逆に元気になってきた。次にいける。


ビッグニュースが入ってきた。

ミシガン大学IRBが臨床試験の許可を出した。

この大学での臨床試験はプロジェクトにとって大きな意味を持つ。

今後40の病院で140人の試験をするという大規模なもの。


ミシガン大学心臓血管センター

医師たちの技術研修に臨んだ。

ブタの心臓を使った本番さながらの訓練。

左心室と人工心臓を繋ぐ導管の取り付けに最も気を使う。

野尻は自ら細かく注意点を伝えた。

あとは患者を待つだけ。

医師たちにとってもはじめてのデバイスだから気になるけどみんな慣れてるから・・。

何が起こるかわからない最先端医療の恐さを知り尽くしていた。

2週間後ミシガン大学からメール。

7/30に臨床試験を行うことになった。

患者が現れた。

39歳で転身し、今も大きな挑戦の渦中にいる。


「夢をあきらめない」

7/30 6:30AM 病院に向かう野尻。

執刀開始の1時間前に到着。

臨床試験を受けるのは62歳の男性。

重度の心不全で寝たきりだったが家族との時間を取り戻したくて臨床試験に参加した。

オペが始まり、人工心臓を取り付ける。医師の動きに目をこらす。

開始から1時間半。心臓への血液の流れをとめた。

人工心臓と導管を接続。

1200回転まであげる。

開始から2時間後、人工心臓を作動。

1300回転。1600回転。血液量を毎分4リットル。

問題がないかチェック。5時間後終了。

野尻は集中治療室に向かう患者さんにつきあった。

1週間後、経過は順調。歩いています。寝たきりだった人が・・・。

何かおいしいものを食べに行きたいと言っています。


野尻は会議。

アメリカでの認定は3年後。


立ち止まっている時間はない。


プロフェッショナルとは

パッションを探し、それを見つけたら粘り強く諦めずに行うこと。

**************

心臓手術といったら心臓肥大をカットして行うバチスタのドラマが続いています。

そういうドラマとは別の次元で

ホンモノのドラマです。

心不全患者を救いたい一心で人工心臓開発を研究し、作り上げた第一人者、野尻さん。

日本での人工心臓が海外で認められたという歴史を作りました。

軸をおかず、磁石の力で宙に浮かせることで

問題の多い血液を絡めることなく人工心臓を動かすことに成功。

これにより脳血栓を防ぐことに繋がったという。

健康で普通に生活していると心臓病ってどういう問題があるのかよくわからなかった。

でも生命の源であることは確か。

寝たきりの人が、自分で動いて外出できるようになったらそれはもう夢を手にいれたと同じですよね。

その感激を非常に感じました。

この装置の恩恵にあずかれてたくさんの人たちが

寝たきりから、自分で動ける生活を取り戻せますように。



UPが遅くなりましたが、この野尻さんの放映は10/30でした。

次はもう明日です。未公開トークだそうです。



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