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03/23/2009 黒部の太陽
ただいまです!向こうの海は寒かったけれど、まあ・・予定通りよ・・ウフフフ
そしてこの「黒部の太陽」を見ていました。

長くて疲れましたし、ストーリーは面白いとも思えなかったけれど

重厚な雰囲気が結局最後まで私を離さなかったみたい(笑

敗戦から立ち上がり復興を果たし、高度経済成長を目指す中、日本全国が絶対的電力不足に悩んでいた。

ついに関西電力、太田垣士郎社長(中村敦夫)は、黒部川最上流域に日本一のアーチ型ダムを擁する、黒部川第四発電所建設に着工することを決意。前人未踏の黒部上流域に分け入り、日本一のダム建設を実現するため、関西電力は熊谷組を始め信頼できる建設会社を、日本の将来のため、と口説いていく。ついに未曾有の予算、規模によるダム建設に着工することとなる。黒四建設という重大任務を託されたのは、様々な難工事を成功させている滝山薫平(小林薫)だったが、滝山は二の足を踏む。しかし社長からまでもくどかれた末、黒四建設事務所次長に就くことを決意する。滝山は、黒部川第四発電所の建設の中でも、ダムサイト工事現場へ資材を運ぶために北アルプス山中を貫く大町トンネル掘削工事を任されることとなる。関西電力は「トンネルの熊谷」とトンネル掘削では輝かしい実績を上げている熊谷組に大町トンネル工事を依頼する。

既に佐久間ダム建設に成功し名をあげていた熊谷組工事課長の木塚一利(ユースケ・サンタマリア)にも声がかかる。木塚は、新しいトンネル掘削工法を習得しており、佐久間ダムなど新ダム建設成功の立役者であった倉松班の親方、倉松仁志(香取慎吾)に白羽の矢を立てる。仁志の母ツル(泉ピン子)は父親も親方として黒部第三発電所の建設に関わり地獄のような苦しみを味わっていることを知っているだけに大反対する。大町に掘ろうとしているトンネルはフォッサ・マグナ(大断層地帯)に沿っておりどんな破砕帯が眠っているかもしれない。どんな困難が待ち受けているかもしれない難工事。しかし倉松は沢井甚太(勝地 涼)、島崎哲蔵(火野正平)、石川伸也=ノブ(趙 和)、山下 護=マモル(木村 昇)らをはじめとした、富山の若者たちを引き連れ、山に入る。

一方、滝山には3人の美しい娘たちがいた。長女滝山幸江(綾瀬はるか)は木塚とお見合いをしたが、ほとんど家にいることのなかった父親と同じ職業の木塚との結婚にもう一歩踏み切れずにいた。家で出会った倉松の存在も気にかかっていた。娘たちは、現場近くにまでやってきてくれることもあったが、3女の光子(志田未来)が体調がすぐれずすぐに宿舎に戻ってしまう。難事業に取り組みながら、滝山は光子の様子が心に引っかかるのだった。

そんな中もトンネル掘削工事は順調に進んでいた。甚太は、工事現場近くの食堂で働く文子(深田恭子)に恋心をいだき、仕事の合間に会えることを楽しみにしていた。文子には暗い過去があることがささやかれていても甚太はものともせず純愛を貫いていた。

ついに恐れていたことが起きてしまう。破砕帯と呼ばれる脆弱な土壌にぶつかってしまったのだった。冷たい地下水の大量噴出、艱難辛苦に立ち向かう倉松たち。このトンネル貫通は不可能なのか、突破する方法はあるのか。徹夜の作業が続く。あらためて調査も開始するが画期的な方法は見つからない。誰もが不可能と思い始める中、倉松だけは決して希望を失わず、さらには周りの人間も動かしていった。


黒四ダムっていうとしたり顔してああ・・あの・・なんて言っちゃいますが

実は何にもわかっちゃいなかったというほんとに壮絶な戦いを見ていました。

以前、青函トンネルの小説を読んだことがあって、似たようなものかと思ってましたが

確かに堀り続けていくことは同じですし似ていますよね。どっちも悶絶の壮絶。

海底と山の違い。最初から水が有るという状態なのと、いつか水がふってくるという予測で動くのとは

準備も違うんでしょうね。

そういうことでしたが最大の難関は破砕帯というところで

人跡未踏の地を開発し、山を掘り、トンネルを開通させることがまず日本の悲願でありました。

電気を通すという大きな事業を達するためであります。

ここで上層部は美しい言葉で煽るわけですが、倉松@香取慎吾はただ掘り続けるだけだという

地に足をつけた言葉で遮るのでした。



トンネル堀りはダイナマイトで爆発させて、岩をくだき、その破片を処理し、切羽(木や鉄鋼)で

トンネル型アーチ型に固めていくことの繰り返しですが、

その繰り返しができるうちはマシなほうだったのでした。

ちょうどフォッサマグナが縦断している地域であり、

始めてみなければ山には何があるかわからない・・・

そして破砕帯に遭遇したのでした。


破砕帯に当たってからは大量の水が落ち、切羽が崩れ、

日進何センチもできず、スコップで掘り続けるという地道な作業。

作業員たちの疲労も重なり、山から離れようというするものだってでてくるわけです。

しかし、それでも掘り続けるしかないという不屈の闘志。

倉松は戦争で銃弾が肩を貫通したことがあったのですが、

トンネルを作るという点で共通するものがあるというのでした。

掘り続ければ必ず光が射してくる。

それを信じてただただ掘っていくだけ。

それがトンネルを作る自分の誇りなわけです。

自分の仕事を信じるという地道でありながら長い経験に裏打ちされた確かな手ごたえを

刻んできた男達の物語ということなんですね。


この非常事態をどうのりこえようかと学者や研究者も頭をひねります。

コンクリートで固める、冷凍する、シールド工法と案がでていました。

遅々として進まないけれどそれでも何ミリでも前に進むというその闘志に頭が下がります。

さらに関電社長(中村敦夫)自らが視察し、作業員の安全のためにもシールドを発注させるなど

なかなかいい印象があります。

日本中がこのトンネルを注目し、成功を期待しているのでした。


そして数ヶ月後、ついに硬い岩盤に変った。

それからはまた掘削機を入れることができ、通常のトンネル工事に戻ることができました。

長い長い戦いでした。

そこからは日進数十メートルに戻り、どんどん進められたようです。

そしていよいよ貫通。光が差しました。

「破砕帯」これが、トンネルを作る上での魔物だったのでした。

自然には逆らえないという意見がありますが、

自然を敵にするのではなく自然といっしょに歩んでいくという姿勢が大事だという倉松でした。



サイドストーリーとしては

深田恭子と勝地涼の物語も初々しくてよかったですし、

ノブが山を下りてから再び舞い戻るときもちょっとした感動を呼びました。


滝山@小林薫の末娘、光江@志田未来が白血病になるという悲劇も入っています。

この光江が死の前に描きあげた絵はトンネル完成の青写真がそのまま描かれてあり、

まるで完成が見えていたようでした。

もちろん知らないで描いているわけですけど。


姉の幸江@綾瀬はるかは光江が花嫁姿を望んでいるということで

それまで返事を保留してきた木塚と結婚することを決意。

実は倉松も幸江にプロポーズしていたけれど、木塚を採ったということのようです。



ただ掘り続けていく地味な物語でしたが

いつか太陽を見るというその瞬間は絶対に見ないといけなかった私なのでした。

ひとつのものを完成させるというこういう事業はやりがいがあったでしょうねえ。

しかし危険と隣り合わせということが足をすくませます。

たくさんの犠牲者を出したダムの中腹には

慰霊の石碑が祀られ花が供えられています。

現在、電気の恩恵を受けることができるのはこのダムがあるおかげなのです。



そういえば、山の神は女だから、トンネルの現場には女性が入ってはいけないんだそうです。

山の神がヤキモチを焼くからだって。

なるほど。






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